青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第131回

第131回 – 2012年3月

視聴者意見について

中高生モニターについて

第131回青少年委員会は3月18日に開催され、2月16日から3月11日までに青少年委員会に寄せられた視聴者意見を基に審議したほか、3月に寄せられた中高生モニター報告等について審議した。

議事の詳細

日時
2012年3月18日(日) 午後4時~5時00分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、境副委員長、小田桐委員、加藤委員、軍司委員、萩原委員、渡邊委員

視聴者意見について

担当委員及び事務局より今月の視聴者意見の概要等の報告を受け、審議対象に該当する番組はなかった。

中高生モニターについて

3月のモニター報告は、中高生モニターを体験した1年間の感想や放送界への率直な意見を求め、26人からリポートが届いた。寄せられたリポートは、「他の人のリポートを読んで、テレビ視聴の参考になった」「自分の企画書が放送局の方に読んでもらって励みになった」といった意見の一方、「不快な番組とリポートしてもあまり変化がない」「3・11以降、放送局が真実を伝えているのか疑問を感じた」など放送界への注文も寄せられた。

【主な意見】

  • 「1年前のあの日。テスト期間中だった私は午前授業だった弟と2人で家にいました。両親不在のまま夕食を食べ、5~6時間かけて母が翌朝徒歩で帰宅。そんな中、父の帰宅とともにモニター採用の通知。この1年は、東日本大震災でテレビのあり方についてよく考えた1年でした。とてもショッキングな映像でしたが、なぜか目が離せませんでした。なぜ目が離せなかったのか、それは言葉でした。被災者の方々の悲痛な叫びの声、リポーターの人々の必死に伝えようとするけどあまりにも悲惨で見つからない言葉。言葉は時に人を救いますが、時に人を傷つけます。それも身をもって感じられることができました」。(東京・中学2年女子)
  • 「中高生モニターは今しかできない貴重な体験です。私は文章を書くのが苦手で、モニターも母親に勧められてしぶしぶ応募しました。始まると毎月異なるテーマが出題されて皆さんの意見が届くにつれてだんだん楽しくなってくるのでびっくりしました。他の方の意見を読んでいるとたった数年しか違わないのに、どうしてこんなに上手な文章が書けるのか?と感心もしました」。(大阪・中学1年女子)
  • 「これまではただ単に”ぼーっと”テレビを見ているだけでしたが、企画書を実際に作ってみて、みんなに見てもらえるような番組の企画を立てるのはとても難しいことだと実感しました。実際に放送局では子どもから大人までの誰もが楽しめる番組を作っているのだということに気づき、みんなが番組を楽しめる番組を企画する大変さがよく理解できました」。(岐阜・中学2年男子)
  • 「モニターになってからは、以前とテレビの見方が変わりました。ふだん何気なく見ていたニュースでも、A局とB局だったらこっちの方のニュースの方が良かったなと、いつの間にか比較して見ていたり、ドキュメンタリーに興味を持って見たりと、見るものも変わりました」。(岡山・中学2年女子)
  • 「時間がない中でなんとなく見ているテレビのうち、バラエティー番組で多かったCMを途中にはさんで過剰に期待感をあおるようなことがとても不満でした。テレビを作る側の都合としか思えないような演出は、何かの役に立っているのか疑問です。またドラマなどで、子ども世代を対象にしているのに遅い時間にやっているものは、もう少し時間を早めた方がたくさんの人に見てもらえるのではないかと思いました」。(東京・中学1年男子)
  • 「私はこの一年間モニターを経験して、今まで何気なく見ていた番組(物事)を注意して見るようになりました。そして、『複眼』が少し使えるようになったと思います。今のテレビは、あまり人々のニーズに応えられていないのではないかとリポートを通して思いました。せっかくパソコンや通信機器が発達しているのだから、それらを利用してよりよい番組を作成してほしいと感じました」。(神奈川・中学2年女子)
  • 「BPOモニターをやって良かった事を書きます。今の放送局は必要な事を報道する割には世間に目をもっていない事。大きいニュースばかり取り上げて、肝心な、大事な、伝えなければいけないはずの小さなニュースをほったらかしにしていると私は思います。特に、東日本大震災が来てからそうでした。大きいニュースは、どこのテレビ局のチャンネルを見ても同じニュースばかり。小さな事でも、このような現状が起きているんだ!そう、視聴者に伝えるのが放送局の役目なんだからこそ、もっと小さなニュースでも取り上げてほしかったです」。(北海道・中学2年男子)
  • 「1年間モニターとして今までよりテレビを注意深く見ていたら『本当に見たいと思えるテレビ番組、見たいと思って見るテレビ番組は少ない』ということに気がつきました。面白くて私たちが見たいと思っている番組は、内容が濃くて独自性のある番組だと思います。内容が薄い番組は単発にとどめておくべきだと思います。それがいかに難しいことかは、私も番組の企画をしたので分かります。いけないのは、つまらない番組をそのままにしておくことです。私は、つまらない番組はどんどんリニューアルしたり、やめたりして変えてゆくことが大切だと思います。また、暇つぶしになんとなく見ている人の視聴率などあまりあてにせず、視聴者の意見をしっかりと聞いて番組を制作することが大切だと思いました」。(神奈川・高校1年女子)
  • 「モニターを担当してきて思ったこと。私たちが物心ついたときにはテレビやラジオ、携帯にインターネットがあり、徹底的に管理された情報があった。意識せずともそれらの情報端末を使いこなし、空気を吸うように与えられた情報を受け取り、上辺だけを見ては薄っぺらな怒りや悲しみ、同情、喜び、批判を感じ、自分の大した意見もないままに他者へと吐き出すように発信をする。繰り返されるこの行為が社会への無関心、自らの不安を煽っているのだ。結局のところ、私たちは発信者の意図というフィルターを通された情報しか目にしてこなかった。その噛み砕かれ、形の変わり、伝えたいことを大きく見出しにし、都合のいいように塗られた情報を何も考えずに受け取ってきた。東日本大震災という全く予想しなかったことが起き、フィルターを通す余裕がなくなってくるとどうだ、何がどうなっているのかが分からない、この学者はなにを言っているのか、要領を得ない。何も考えずとも噛み砕かれた易しい情報ばかりを享受してきた私たちはいつの間にか情報を取捨選択することを忘れ、真に理解することを知らず知らずのうちに放棄してしまっていたのだ。自分の興味にあっているような安易な情報に踊らされた若者たちは『なんだ、この議員は消費税を上げないんだ。いいじゃん』『この芸能人が選挙出るの?面白い』「AKB48の選挙の方が興味ある』などという考えしか持たなくなっている。これは深刻な問題である。本当に世の中で起きていることを理解しているのは国民のほんの一握りだと思う。だが、今の状況にしてしまったのは何を隠そうマスコミ自身である。うつつを抜かした空気に合わせていつの間にか視聴率ばかりを狙ったような報道があとを絶たない。切り口を変えれば悪もまた正義であり、正義もまた悪なのだと言わんばかりに、『やれ消費税を上げたら困る』『原発は今すぐに中止だ』など偏った意見を切り取っただけの報道が目立つ。東日本大震災の復興における情報の力はめざましいものがあった。それは確かである。人と人とのつながりが世界をも動かすようになったのだ。それほどの力を持つマスコミが日本を正しい方向に導いていけるのだということを私は信じている。情報は人に娯楽を与えるためにあるのではない。情報の意義とは、ものごとを正しく知るため、そしてそれを自ら考え、理解し芯の通った意見を持つための手段なのだ。そう私は感じている」。(千葉・高校2年男子)

【委員の所感】

  • 中学1年から高校2年という幅広い年代のみんなのリポートを、1年間読んだり理解したりすることから、文章力が伸びたり考え方が深まったりしていることがよく分かった。
  • 今の中高生たちは、テレビやラジオ、携帯電話・インターネットなどさまざまな情報入手のツールが生まれたときから手に入る状況にあり、果たして何が重要な情報なのか、何が真実なのかということへの疑問を持っているリポートには考えさせられるものがあった。
  • 中高生が本当に見たい番組は限られていて、ながら視聴しているケースが大半ではないか。つまらない番組が多ければ視聴者が離れてしまい放送局の経営は大丈夫?という意見にまったく同感。放送局は視聴者の意見をきちんと受け止めて番組を作ることが大切ではないか。
  • 1年間の成長の姿に感激した。モニターの皆さんが書いた文章を誰かに読んでもらえる、企画書をテレビ局の制作現場の人に講評してもらえるということが励みになったという意見が多いことが目についた。その結果、家族や友人ともテレビを見て話し合うきっかけになったというリポートにも感心させられた。
  • 他のモニターの声が届くことによって刺激を受けている様子がよくうかがわれた。同年代でありながら、違う視点でものを見ている意見や感想と接することで、自分とは違う人がいるということを自覚できるよいチャンスだったということがよく読みとれた。
  • 1年間のモニター体験で成長する度合いが大人より大きいことがよく分かった。文章力のアップはもとより、毎月テーマを出されることから見る視点を各自が作り出そうとしていることがなかなかのものだという印象だった。

* 「中高生モニター会議」の開催について

3月18日(日)正午から午後3時30分まで千代田放送会館7Fの会議室で、「2011年度中高生モニター会議」を開催した。出席者は中高生モニター20人(中学生16、高校生4)と7人の青少年委員全員で、「バラエティー系番組グループ」「報道・情報系番組グループ」「ドラマ・アニメ番組グループ」の3つのグループに分かれ、各自が考えてきたアイデアを出し合って話し合い、「私たちの作りたいテレビ」の企画書を作成して発表・討議した。
この会議の模様は、後日、冊子として発行する。