青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第139回

第139回 – 2012年12月

東海テレビ『幸せの時間』について討論、審議対象に

第139回青少年委員会は12月17日に開催され、11月16日から12月11日までに寄せられた視聴者意見について討論するとともに、12月に寄せられた中高生モニター報告等について審議した。また、2013年1月22日に大阪で開催するNHKを含む在阪準キーテレビ6局との意見交換会の詳細と、3月17日に開催する2012年度中高生モニター会議の進行案について担当委員と事務局から説明し了承された。

議事の詳細

日時
2012年12月17日(月) 午後4時30分~6時40分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
汐見委員長、加藤副委員長、小田桐委員、川端委員、最相委員、萩原委員、渡邊委員

【東海テレビ『幸せの時間』審議対象に】

11月5日~12月28日まで放送の東海テレビ昼の連続ドラマ『幸せの時間』については、放送直後から「性的描写が過激である」「子どもが見る可能性もある」との視聴者意見が多数寄せられ、第138回委員会から継続して討論してきたが、今回の委員会で、民放連の定める放送基準に準拠して当該局が定めた番組基準などに照らし、審議対象にすることがふさわしいとの結論に達し、1月に臨時の委員会を開催して当該局の番組企画意図・制作方法・審査基準等について意見交換を行うことになった。

【その他の視聴者意見について】

担当委員および事務局よりその他の視聴者意見の概要等の報告を受けたうえで討論し、審議対象とするべき番組はなかった。

【中高生モニター報告】

12月から2月までは「バラエティー・クイズ・音楽」番組のジャンルを取り上げ、12月は「好きな番組、面白い番組」についての報告が29人から届いた。
バラエティー番組は18番組について意見が寄せられ、そのうち『アメトーーク』(テレビ朝日)と『嵐にしやがれ』(日本テレビ)にそれぞれ2人から意見が寄せられた以外は、別々の番組に対する意見だった。まさにバラエティーに富んだ報告になっていた。
「悪ふざけではなく頭をフル回転させて笑いをとる『笑点』(日本テレビ)こそ本当のお笑いだ」、「最近のゴールデンに放映される痛みで笑いをとるような番組ではない『ワラッタメ天国』(フジテレビ)が純粋で面白い」など、最近のバラエティーについて冷静に見ている意見があった。
また『金曜日のスマたちへ』(TBSテレビ)など、出演者の魅力が大きいので好きだという報告もあった。『水曜どうでしょう』(北海道テレビ放送)のように、10年以上前に制作された番組を再放送で見て「面白かった」と報告してきた例もあった。
音楽番組ではラジオを含め5番組について報告があり、『ミュージックステーション』(テレビ朝日)に好感が持てるという報告が4人からあった。
クイズは4番組が取り上げられ「ご長寿クイズ番組『アタック25』(朝日放送)はアナウンサーに好感をおぼえる、出てみるのが夢だ」という意見があった。
<自由記述>は、最近の放送について思うことを自由に書いてもらった。ドラマやニュースに対する意見とともに、「地震で津波警報が出たときのNHKのアナウンサーの対応が良かった」という報告があった。

【主な意見】

  • 「僕が『いきなり!黄金伝説』(テレビ朝日系)を視聴し始めたきっかけは、ほかのバラエティーにはない奇想天外な企画が魅力的で面白いというのが理由です。様々なタレントさんが節約生活をおくる"1ヵ月1万円生活"や、よゐこの濱口優さんで有名な"0円無人島生活"、全国を周って美味しいグルメをランク付けして紹介する企画など、この番組にしかない企画が沢山あります。僕はこれらの多様で魅力的かつ視聴者の心をくすぶる企画があることにより、多くの視聴者の共感を生んでいるのではないかと思います。バラエティーに必要とされるのは"視聴者の心を刺激するドキドキ感を与えること"ではないでしょうか。そのことを見ている僕らに与えてくれる番組が増えてほしいと思います。」(宮城・中学2年男子)

  • 「僕の一番好きなバラエティーは『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の特別番組『笑ってはいけないシリーズ』(日本テレビ)だ。毎年、大晦日に年越し放送されていて、僕は『紅白歌合戦』(NHK)よりも、こちらを楽しみにしている。僕はダウンタウン(特に松本人志さん)のコントが大好きなのだが、"どこが面白いか分らない"という人も多い。その理由を考えていて思い出したことが一つある。佐藤武光さんというプロの映画監督が、"本当に面白い映画は、お金のかかった大作ではなく小さな映画館で上映されているものだったりする。それは、作り手がやりたいように作れる映画には、個性的であくの強い面白さがある"と言っていた。このことは、バラエティーやお笑いにも当てはまると思った。ダウンタウンの笑いは恐らく、万人受けをねらったのもではなく、自分たちのセンスで自由に作っているように見える。だから、毒があって面白いと同時に好き嫌いもはっきり分かれるのだと思う。」(東京・中学2年男子)

  • 「僕が好きな番組は『笑点』(日本テレビ系)です。理由は、今どこのテレビ局でも放送している、芸能人のスキャンダルや、格付けや、悪ふざけで笑いを取るのではなくて、大喜利などで、頭をフル回転させて笑いを考えて、司会者の師匠の機嫌や、うけ具合で座布団が増えたり、減ったりするのが本当のお笑いの様に感じたからです。」(静岡・中学1年男子)

  • 「最近好きな番組、面白い番組は無いように感じます。これまでは、終わってしまった『クイズ!ヘキサゴンII』(フジテレビ)や『マジカル頭脳パワー!!』(日本テレビ)など自分が出演者の方々と一緒になってクイズに挑戦しているような感覚にさせてくれる番組が多かったと思いますが、最近の番組は見ている側の私たちが蚊帳の外のような感じがして仕方がありません。司会者も、さんまさんたけしさん、タモリさんといった方々が不動の地位を保持していましたが、なんとなくその方々も年とともにパワーがなくなってきたように感じますし、面白味が無くなってきていると思います。"テレビだけが娯楽ではなくなってきた"と私は感じています。」(神奈川・中学1年女子)

  • 「私はNHK教育の『Rの法則』(月~木曜・18時55分~)を毎回録画して視聴している。この番組は、中高生に関連した、効率的な学習法や生活全般の情報など中高生を交えて紹介するトークバラエティーで、内容やコーナーは多種多様であり、見どころが多く詰まった番組である。毎回違った内容が楽しめて、かつそれら全てが中高生にとって興味深く役に立つ内容なので、非常に身近に感じつつ実用的なものである。そこが大きな魅力である。勉強だけでなく、恋愛や音楽といった内容も取り入れているので、ぜひ多くの中高生にこの番組を楽しく見てもらい、自分と同世代の学生はいま何を考えてどんなことをしているのかなど興味を持ってもらいたい。」(東京・高校2年男子)

  • 「僕の好きな番組はBS朝日で放送中の『水曜どうでしょう Classic』(北海道テレビ放送)です。この番組は10年以上前に収録され、放送されたものの再放送なのですが、おもしろいです。出演者の大泉洋さんはこの当時は北海道のタレントさんでしたが、今では全国でも有名な俳優さんになっています。そんな人がこの番組ではムチャばかりさせられています。この番組では、一つの企画を何週かにかけて放送します。毎週続きが楽しみです。『水曜どうでしょう』は毎週放送していくのは難しくなったということで、番組は終了しています。ただ何年かに1度は新しい企画が放送されます。ぜひ続けていってほしいです。有名になった大泉洋さんですが、今後もディレクターに言われるがまま、ムチャをしてほしいです。」(京都・中学1年男子)

  • 「僕は『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)が好きです。なぜなら、数ある音楽番組の中でも生放送でアーティストが歌うという番組は、年末の『FNS歌謡祭』(フジテレビ)などの大型番組を除いてほとんどこの番組しかないからです。また、歌う前のアーティストと司会のタモリさんや竹内由恵アナウンサーとのトークも見ることができ、ファンだけでなく少し興味を持っているという人にも、そのアーティストがどのような人なのか深く関心を持ってもらえると思います。」(大分・中学3年男子)

  • 「私のお気に入りの音楽番組はNHKFM『きらクラ!』(日曜・14時~)です。『きらクラ!』の"きら"は、お気楽の"きら"ということで、クラシックって難しいなと感じている方でも、気楽に楽しんで聴ける放送だと思います。司会はタレントふかわりょうさんと、チェリスト遠藤真理さんです。この放送は曲を聴き、お2人の会話を聴くというだけではなく、リスナーから投稿もできるので番組に参加できる楽しみもあります。曲の冒頭部分のほんの少しを聴いて曲名を当てるコーナーもあり、老若男女クラシックマニアもビギナーも、楽しみいっぱいの2時間です。」(福島・中学2年女子)

  • 「ご長寿クイズ番組『アタック25』(朝日放送)が一番好きです。この番組はクイズ番組という名のスポーツだと思います。クイズに答えるだけでなくオセロの頭脳も兼ね備えなければならず、まさに体育会系です。一番好きな理由は司会者と出題者の方です。故児玉清さんの素人回答者に対するさらりとした叱咤激励が見ていて好感が持てました。浦川泰幸アナウンサーがその後を見事に引き継いでおられて違和感なく見続けられます。加藤明子アナウンサーの声も透き通っていて、聞きやすく好感が持てます。この番組に死ぬまでに一度でも出てみることが夢です。」(大阪・高校1年女子)

【委員の主な意見】

  • 番組の作り手のことをよく理解しているなという報告があった。テレビを上手く活用して生活している中高生がいることに感心した。

  • 重なった番組の報告が少なかったのは、今の中高生が翌日クラスみんなで話題にするようなテレビ番組が少なくなってしまったのかも知れないと思った。

  • リポートを読んで、今の中高生は健全な笑いを求めているのに対し、今のバラエティーは違う方向を向いているのではないかと感じた。

  • 「見ている側が蚊帳の外」や「テレビだけが娯楽ではなくなってきた」というのは鋭い指摘で、ぜひテレビ局の人に知ってほしいと思った。

  • ラジオでクラシック音楽を楽しむという今の中高生の多彩さが頼もしいと思った。

  • 音楽番組で生のアーティストの演奏に感動しているのが新鮮だった。

【今月のキラ★報告】(東京・中学3年男子)

最近のバラエティーはあまり面白くないと思ってしまいます。同じ芸人、特にベテランの芸人が独占しているように感じます。もちろん、ベテランの芸人は面白いし、そうだからこそ芸能界に長くいられるのかもしれません。ここで僕が思うのは、ベテランと若手の差です。若手の人が一生懸命考えた芸で笑いを取れず(滑って)、周りから冷たい目線を浴びます。一方でベテランの人がちょっとしたことを言うと周りは大爆笑します。けれども、両者がやっていることで質が高く、面白いのは若手の方だと思うことが多くあります。最近『アメトーーク』(テレビ朝日)という番組で、5組の「もっとテレビに出たい芸人」が出演していました。僕は、チャンスがなくて注目されていないけれど面白い芸人や、若くて優秀な芸人がスポットライトを浴びることができる番組が欲しいと思います。
そこで、最近見て面白い番組が『ワラッタメ天国』(フジテレビ)です。日曜日の24時40分~25時10分に放映されるいわゆる深夜番組ですが、最近のゴールデンに放映されるような、痛みで笑いを取るような番組よりもずっと純粋で面白い番組です。そして、普段あまりテレビで見かけない芸人たちが必死に頑張っている姿に惹かれました。番組の趣旨は、"笑えて、しかもタメになる!"です。毎回、若手の芸人たちが、小中学校で勉強する科目の中から一つ具体的なテーマを決めて猛勉強し、その知識をネタに取り込んで"研究作品"として90秒という制限時間の中で演じるというもの。判定はどれだけ笑えたのかを"ワラ点"で、どれだけタメになったのかというのを"タメ点"で審査します。
ベテランの芸人がテレビを独占しているからといって、排除しようというのではありません。しかしこの番組のように、若手で面白い芸人が今後テレビで活躍できるきっかけになるような番組があると良いと思います。

【委員会の推薦理由】

「本質を突いている」「根本的な問題提起だ」。彼の報告に対して、複数の委員からそんな声が上がりました。最近のバラエティーがあまり面白くないと感じるのはなぜか、その理由をベテランと若手という既存のヒエラルキーに依存し、力の強い者が弱い者を叩いて笑いをとる構造がもたらすものだと指摘しているのです。「同じ芸をしたり、同じことを言ったりしても、人や雰囲気で必ずベテランの方が面白くなってしまう」。最初から負け戦を闘うことを余儀なくされている若手芸人を応援したい彼は、「痛みで笑いを取るような番組よりもずっと純粋で面白い番組」として、日曜深夜という高視聴率があまり期待できない時間に放送されている新番組に注目しています。必死に勉強して挑戦する。そんな若手芸人の姿に魅力を感じている中学生がいることをぜひとも現場の方々に知ってほしいと思います。

【自由記述】

  • 最近、テレビ番組の中で特に面白くないと思うのはドラマです。もっと、話題になるほどのインパクトを持った作品が見たいです。(東京・中学1年女子)

  • のチャンネルでも、ほぼ同じニュースを同じ順番でやっているのが気になります。もう少し、ニュースの時間をずらしたり、ここだけしかやっていないというような特別なニュース、小さなニュースを知りたいと思います。(滋賀・中学1年男子)

  • 12月7日に地震が起こったとき、NHKが中国語で避難指示を出したり、津波警報が出たときに、アナウンサーが強く「避難してください」と指示を出していて、東日本大震災から教訓を学び、生かそうとしている姿勢を見て、安心した。(北海道・中学3年女子)

  • 最近の傾向として、共演者いじりが度を過ぎている場合があると思う。(福岡・高校2年女子)

  • 最近の放送について思うことは、テレビが一番のメディアではなくなってきているのかな?ということです。テレビというメディアでしかできない面白いことを、よりやっていってほしいと思います。(静岡・高校2年男子)

  • 番組がいいところに来ると「続きはCMの後で・・・」というのが多すぎます。本当に見たい番組であれば、間にいくらCMが入ったとしても、必ず見るので、そういう番組の作り方はやめてほしいと思います。(神奈川・中学2年男子)

【意見交換会(大阪)について】

2013年1月22日に大阪で開催するNHKを含む在阪準キーテレビ6局との意見交換会の詳細について、担当委員と事務局から説明し了承された。

【中高生モニター会議について】

3月17日に開催する2012年度中高生モニター会議の進行案について、事務局から説明した。