放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第253回

第253回 – 2017年12月

沖縄基地反対運動特集事案の審理…など

沖縄基地反対運動特集事案を審理し、提出された「委員会決定」原案の構成、内容について意見を交わした。

議事の詳細

日時
2017年12月19日(火)午後4時~8時05分
場所
「放送倫理・番組向上機構 [BPO] 」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

坂井委員長、奥委員長代行、市川委員長代行、紙谷委員、城戸委員、
白波瀬委員、曽我部委員、中島委員、二関委員、水野委員

1.「沖縄の基地反対運動特集に対する申立て」事案の審理

対象となった番組は、東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)が2017年1月2日と9日に放送した情報バラエティ―番組『ニュ―ス女子』。2日の番組では、沖縄県東村高江地区の米軍ヘリパッド建設反対運動を特集し、「軍事ジャ―ナリスト」が現地で取材したVTRを放送するとともに、スタジオで出演者によるト―クを展開、翌週9日の同番組の冒頭、この特集に対するネット上の反響等について出演者が議論した。
この放送に対し、番組内で取り上げられた人権団体「のりこえねっと」の共同代表の辛淑玉氏が申立書を委員会に提出、「本番組はヘリパッド建設に反対する人たちを誹謗中傷するものであり、その前提となる事実が、虚偽のものであることが明らか」としたうえで、申立人についてあたかも「テロリストの黒幕」等として基地反対運動に資金を供与しているかのような情報を摘示し、また、申立人が、外国人であることがことさらに強調されるなど人種差別を扇動するものであり、申立人の名誉を毀損する内容であると訴えた。
これに対しTOKYO MXは、「申立人の主張は本番組の内容を独自に解釈し、自己の名誉を毀損するものであると主張するものであり、理由がないことは明らか」との立場を示し、また、虚偽・不公正であるとの申立人の主張については、「制作会社において必要な取材を尽くしたうえでの事実ないし合理的な根拠に基づく放送であって、何ら偽造ではない。申立人が主張するその他の事項についても同様であり、本番組の放送は虚偽ではなく不公正な報道にも該当しない」と述べている。
今月の委員会では、12月初めに開かれた第1回起草委員会を踏まえた「委員会決定」の原案が提出され、担当委員の説明を受けて、全体の構成、内容等について各委員から意見が出された。次回委員会でさらに検討を重ねることになった。

2.その他

  • 12月から委員に就任した水野剛也氏(東洋大学社会学部教授)が専務理事から紹介され、経歴等の説明があった。水野委員の就任は、2017年3月のBPO理事会で委員会の委員定数を1名増員することが承認されたことを受けたもの。

  • 委員会が11月28日に仙台で開催した東北地区意見交換会について事務局が報告、その模様を伝える地元局の番組同録DVDを視聴した。

  • 委員会が2月2日に長野で開催する県単位意見交換会の進行等を事務局が説明、了承された。

以上