第120回–2017年11月
沖縄基地反対運動の特集を放送したTOKYO MXの『ニュース女子』を審議など
沖縄の基地反対運動の特集で、情報や事実についての裏付けが十分であったのか、放送局の考査が機能していたかなどを検証する必要があるとして審議入りしている東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』について、担当委員から、前回の委員会の議論を踏まえた意見書の修正案が提出された。内容や表現をめぐって意見交換が行われた結果、大筋で了解が得られたため、一部手直しをしたうえで、12月14日に当該放送局への通知と公表の記者会見を行うことになった。
刑事事件の容疑者と処分内容という最もセンシティブな情報についての間違いが2件続いたことから前回委員会で審議入りしたフジテレビの情報番組『とくダネ!』について、担当委員から、3日間にわたって行われた制作担当者などへのヒアリングの報告と意見書の構成案の説明があり、意見交換が行われた。次回の委員会で意見書の原案が提出される。
議事の詳細
- 日時
- 2017年11月10日(金)午後5時00分~8時25分
- 場所
- 「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
- 議題
- 1.沖縄基地反対運動の特集を放送した東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)『ニュース女子』の審議
2.2件の刑事事件で容疑者や処分内容を誤って放送したフジテレビ『とくダネ!』の審議 - 出席者
-
川端委員長、是枝委員長代行、升味委員長代行、神田委員、岸本委員、斎藤委員、渋谷委員、鈴木委員、中野委員、藤田委員
1. 沖縄基地反対運動の特集を放送した東京メトロポリタンテレビジョン(TOKYO MX)の『ニュース女子』を審議
TOKYO MXの『ニュース女子』は、2017年1月2日に「マスコミが報道しない真実」と題し、沖縄の米軍基地反対運動を現地リポートとスタジオトークで特集し、「反対派が救急車を止めた?」「反対派の人達は何らかの組織に雇われているのか」などの話題も取り上げた。委員会は2月、情報や事実についての裏付けが十分であったのか、放送局の考査が機能していたかなどを検証する必要があるとして審議入りを決めた。
この番組は、TOKYO MXが制作に関与していない「持ち込み番組」であるため、検証を深める必要があるとして、制作会社に文書によるヒアリングを行うとともに、担当委員が沖縄の現地に赴くなど委員会として独自の調査も行ってきた。
委員会では、前回の意見書原案に示された意見や議論を踏まえた修正案が担当委員から提出され、内容や表現をめぐって意見交換が行われた。その結果、大筋で了解が得られたため、表現の細部など一部手直しをしたうえで、12月14日に当該放送局への通知と公表の記者会見を行うことになった。
2. 2件の刑事事件で容疑者や処分内容を誤って放送したフジテレビの『とくダネ!』を審議
フジテレビの情報番組『とくダネ!』は、2017年7月、医師法違反事件で逮捕された容疑者としてまったく別の男性の映像を、インタビューを含めて放送した。翌8月も、放送時点では書類送検されていなかった京都府議会議員について「書類送検された」などと放送し、いずれも事実の確認がとれていない報道だったと謝罪した。委員会は10月、刑事事件の容疑者と処分内容という最もセンシティブな情報について、同じ番組で間違いが続いたことは大きな問題だとして審議入りした。
委員会では、3日間にわたって行われた制作担当者などへのヒアリングの概要が担当委員から報告され、取材のいきさつ、間違いがチェックされずに放送にいたった経緯などが説明された。そのうえで、ヒアリングの結果に基づいた意見書の構成案が示され、意見交換が行われた。次回の委員会で、意見書の原案が担当委員から提出される。
以上