放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第71回

第71回 – 2013年5月

映像の偽装が発覚して審議入りした関西テレビの
『スーパーニュースアンカー』、ヒアリング結果を報告

選挙期間中に現職候補者の映像を放送したフジテレビの
バラエティー番組、「委員長コメント」を公表

第71回放送倫理検証委員会は5月10日に開催された。
関西テレビの報道番組で、情報提供者の映像の偽装が明らかになり、前回委員会で審議入りした事案。担当委員からヒアリングの結果が報告され、意見交換が行われた。その結果、事実関係はほぼ判明し論点も整理できたとして、次回委員会までに担当委員が意見書原案を作成、委員会の場でさらに議論を深めることになった。
フジテレビのバラエティー番組で、選挙期間中の現職知事の映像が約10秒間放送された事案に関連して、全放送局に選挙の公平・公正性に万全を期すよう要請する「委員長コメント」が、4月26日、BPOのホームページに公表されたことが報告された。

議事の詳細

日時
2013年5月10日(金)午後5時~8時
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者
川端委員長、小町谷委員長代行、水島委員長代行、香山委員、小出委員、是枝委員、斎藤委員、渋谷委員、升味委員、森委員

1.映像の偽装が発覚して審議入りした関西テレビの『スーパーニュースアンカー』、ヒアリング結果を報告

関西テレビのローカル報道番組『スーパーニュースアンカー』の特集企画で、大阪市職員の兼業について証言する情報提供者の映像として放送されたものが、実際には取材スタッフを使った偽装映像であったうえに、新聞報道で発覚するまで3か月余りもその事実を視聴者に説明していなかったとして、前回の委員会で審議入りした事案。
当該局の担当記者・カメラマン・撮影助手・編集マンなど取材から放送に至る担当者のほか、事情が判明したあと対応策を協議した報道局幹部、さらに広報やコンプライアンスの担当者など、あわせて14人を対象に16時間にのぼるヒアリングを実施したことが、担当委員から報告された。
「なぜ問題の映像が撮影されたのか?」「なぜ社内のチェックが機能せず放送されてしまったのか?」「なぜ視聴者に対する速やかな説明がされなかったのか?」などを中心に、詳細で具体的な説明が行われた。また、当該局で6年前に起きた「あるある問題」の反省や教訓が、生かされているかどうかについての報告もあり、委員の間で活発な質疑や意見交換が展開された。
その結果、事実関係はほぼ明らかになり論点も整理できたとして、次回委員会までに担当委員が意見書原案を作成、委員会の場でさらに議論を深めることになった。

2.選挙期間中に現職候補者の映像を放送したフジテレビのバラエティー番組『VS嵐』、「委員長コメント」を公表

千葉県知事選挙(2月28日告示・3月17日投票)さなかの3月7日、フジテレビのバラエティー番組『VS嵐』で、森田知事の映像が約10秒間放送された事案。前回の委員会で、審議入りはしないものの各局に対する注意喚起を兼ねて「委員長コメント」を公表することを決めたが、4月26日、BPO放送倫理検証委員会のホームページにアップされた。
この委員長コメントは、『VS嵐』の事案で浮き彫りになった問題点をあらためて指摘した上で、全放送局に対して「選挙の公平・公正性を守るという意識を高めること」と「選挙の公平・公正性を守るために必要なチェックの仕組みがきちんと構築されているかどうかを再点検すること」を要請するもの。委員会では、事務局から公表の事実と新聞報道など委員長コメントへの反響が報告された。

以上