第075回 – 2003年4月
委員長、委員長代行の決定
「女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て」委員会決定の総括…など
委員長、委員長代行の決定
大木専務理事から、「去る2月27日の初会合で、新委員長に飽戸弘委員、同委員長代行には竹田稔委員と堀野紀委員が互選され内定している」ことを報告・確認した上で委員に諮ったところ、全会一致でこれを承認。正式決定した。
その後、新委員全員による記者会見を別室で開催し、午後5時、飽戸弘委員長の司会で委員会を再開。
「女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て」委員会決定の総括
事務局から、標記「委員会決定」の概要と通知・公表(記者発表)の模様、および、「委員会決定」を報じた放送・新聞の対応を報告するとともに、NHK広報局が発表した「放送人権委員会決定に対するコメント」を紹介。NHKが「委員会決定」の主旨を放送したVTRを視聴し、委員間で意見交換した。
意見交換ではまず、この事案の審理にあたった飽戸委員長と、五代、渡邊両委員から、それぞれ「委員会決定」に関する説明があった後、委員から次のような意見が出された。
- この委員会決定を受けて、今後、NHKは具体的にどのような取り組みをするのか。
- NHKの受け止め方は、”自浄努力はいたしますけれども”と言って切り抜けているような感じで、少し虚しさを感じる。
- 委員会決定の受け止め方や後の処理について、当該放送局に対して委員会としてコメントできるのか。
「放送人権委員会判断基準」について
事務局から、前委員会からの申し送り事項である「放送人権委員会の判断 ~ 6年間の記録」に関する、取りまとめの経緯と掲載内容などを報告。続いて、委員長と、原案作成を担当した渡邊委員から説明があった後、今後の取り扱いについて検討した。
その結果、次回(5月)の委員会で再度、委員の意見を確認した上で、今後の取り扱いを決定することとした。
苦情対応について
事務局から、3月の苦情対応件数と対応概要について、以下のとおり報告した。
◆件数 258件=内訳
- 人権侵害関連と思われるものへの対応 3件
- 番組や局への苦情に対する対応 53件
- BRO業務や資料請求への対応 33件
- その他(一般苦情22件など) 169件
このうち、内規に基づく「人権侵害関連事案」の対応と処理は次のとおり。
■ 「女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て」
〔議題2参照、3月31日に委員会決定を通知・公表〕
- 「バラエティー番組で無断撮影・放送され名誉毀損」との抗議、斡旋解決・・・昨(2002)年8月に放送された大阪のテレビ局のバラエティー番組に対して、大阪在住の主婦から、「スーパーで買い物をして出てきたところを女性アナウンサーに声をかけられたが、急いでいたので断った。しかし、この時に撮られた映像が断りもなく、『大阪のおばちゃんはこんなに怒っている』という音声とともに、アップにした顔に”怒りマーク”が付けられて放送された。放送局に抗議したところ、放送局は今年1月の検証番組で一方的に謝罪放送をしたが、自分としては同じ番組での謝罪を要求しており、納得できない」と抗議があった。当該テレビ局に抗議の趣旨を連絡し対応を要請した結果、3月22日に当該番組内で謝罪放送が行われ、解決した。
[昨年度8件目の斡旋解決]
続いて事務局から、「2002年度の事務局対応件数と人権侵害関連20事案の処理状況」について報告・説明し、若干の意見交換を行った。
そ の 他
事務局から以下の項目について説明・報告した。
- 第3回BROシンポジウム”放送の自由と自律 ~ 放送倫理確立への道”を開催〔4月23日(水)13:30~17:00、千代田放送会館2階ホール。シンポジウムの模様は5月3日のNHK『土曜フォーラム』で放送される予定〕
最後に、次回の定例委員会は5月20日(火)午後4時から開催することを確認し、議事を終了した。
以上