第115回 – 2006年8月
「民主党代表選挙の論評問題」事案
「若手政治家志望者からの訴え」事案 総括…など
「民主党代表選挙の論評問題」事案
6月の委員会で審理入りが決まった上記事案について、放送人権委員会は8月の委員会で申立人・被申立人双方から、直接言い分等を聞くヒアリングを行った。
この席で、申立人で民主党衆議院議員の仙谷由人氏は、「憶測や思い込みによって、政治的謀略的筋書きで、一方的に、虚偽の事実に基づき、対立構成をつくり、片方を誹謗する選挙放送だった」と、改めて主張した。申立人で民主党衆議院議員の枝野幸男氏は所用のため欠席し、陳述書を提出した。
これに対し、被申立人のテレビ朝日側は「事実ないし真実と信じるに足る相当な理由がある事実に基づいて放送しており、放送の意図も代表選挙の投票前の勢力関係など現状を分かりやすく解説・論評したもので、申立人らの名誉を毀損するものではない」と反論した。
ヒアリング終了後、委員会は、さらに詰めの審理を行った。
「若手政治家志望者からの訴え」事案 総括
本事案は、放送人権委員会第29号事案として7月26日に「委員会決定」し、同日「決定」内容を申立人・被申立人双方に「通知」、その後記者会見を行って「公表」した。
8月の委員会では、岡山市に出向いて申立人に「決定」内容を通知した模様を担当調査役が報告した。
また、「委員会決定」を各放送局がどのように扱ったかと、関連新聞記事について報告があった。放送対応ではキー局4社が委員会決定を伝え、新聞1社が記事を掲載した。
このあと委員会は、当該局(日本テレビ)が伝えたニュース等のVTRを視聴した。
「放送における公平・公正について」意見交換
放送人権委員会では、5月の委員会から「放送における公平・公正」について議論を重ねてきたが、8月の委員会で[運営規則検討小委員会](仮)を設立することを決め、小委員会の委員に竹田放送人権委員会委員長、堀野・五代両委員長代行および右崎委員の4氏を選任した。
第1回小委員会は、9月19日に開かれる予定で、公平・公正問題の扱いを含む「苦情取り扱い基準」の見直しを中心に論議し、11月を目処に【放送人権委員会運営規則】の改定案をまとめることになった。
苦情対応状況報告[7月]
2006年7月の1か月間に寄せられた放送人権委員会関連の苦情の内訳は、次のとおり。
◆人権関連の苦情(8件)
- 斡旋・審理に関連する苦情(特定個人または直接の関係人からの人権関連の苦情)・・・3件
- 人権一般の苦情(人権関連だが、関係人ではない一般視聴者からの苦情)・・・5件
地方局との意見交換会について
毎年開催されている放送人権委員会委員と各地区会員各社との「意見交換会」、今年は11月28日午後、大阪で近畿地区会員各社を対象に開くことになった。
この催しは、放送人権委員会委員長をはじめ各委員と局の関係部門代表者らが直接顔をあわせて、「放送における人権・倫理問題」を論じ合うもので、東京地区での意見交換会を含め、今年で11回目の開催となる。
近畿地区会員各社には、場所・議事内容等が決まり次第、案内状を送付することになった。
その他
次回委員会は、9月19日(火)午後4時から開会し、また、閉会後に引き続き[運営規則検討小委員会](仮)を開くことを決めた。
以上