フジテレビ『超逆境クイズバトル!!99人の壁』審議入り
放送倫理検証委員会は5月15日、フジテレビの『超逆境クイズバトル!!99人の壁』について、審議入りすることを決めた。
対象となったのは、フジテレビが2017年12月31日から2020年3月7日にかけて放送したクイズバラエティー番組『超逆境クイズバトル!!99人の壁』。フジテレビは4月3日、100人の出場者を集めて収録すべきところ、人数が不足した場合、解答権のないエキストラを番組に参加させ、「番組が標榜している『1人対99人』というコンセプトを逸脱し、視聴者の信頼を損なう形となっていた」として、番組ホームページ上で事実関係を公表するとともにお詫びを行った。
番組は、1人の「チャレンジャー」が、99人の壁の解答者に阻まれながら全問正解を目指すクイズ番組で、合計5問に正解すると賞金100万円を獲得できるというもの。「チャレンジャー」はあらかじめ自分の得意なジャンルのクイズを指定できる特権を与えられる。
出場者全員が専門ジャンルの知識を持っているというのがこのクイズ番組の見どころだが、逆にそうした専門性の高い100人もの出場者をオーディションで選ぶことや、番組で使用するクイズの作成、解答の裏どり作業は、当初から相当の労力を要したという。
委員会は、フジテレビに報告書と同録DVDの提出を求めたうえで討議した。委員からは「意欲的な番組であるが、もともと無理があったのではないか」「同局の番組に対して委員会が2014年4月に出した意見書(検証委員会決定20号)において指摘した背景や問題点との類似が窺われる。なぜ教訓が生かされなかったのか、再発防止策が生かされていたのか解明する必要がある」などの意見が出され、放送倫理違反の疑いがあるとして審議入りを決めた。
委員会は今後、当該放送局の関係者からヒアリングを行うなどして審議を進める。