放送人権委員会

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2019年8月20日

「訴訟報道に対する元市議からの申立て」審理入り決定

BPO放送人権委員会は、8月20日に開催した第272回委員会で上記申立てについて審理入りを決定した。

テレビ埼玉は、2019年4月11日午後の『News545』内で、元市議が提訴した損害賠償訴訟のニュースを放送した。放送は、「元市議セクハラ訴訟 被害女性職員 請求棄却求める」とタイトルスーパーを表示し、経緯の説明の中で「(議会)第三者委員会が調査をした結果、5つの行為がセクハラやパワハラにあたると認定され、元市議は去年10月に議員を辞職しました」と伝えた。
申立人は、ハラスメントそのものを「身に覚えのないこと」と主張したうえで、「申立人が提訴した裁判であるのに、申立人がセクハラを訴えられたような印象を与え名誉を損なわれた」と訴えた。また、経緯の説明の中で、実際には第三者委員会の認定前に辞職しているのに、「第三者委員会にパワハラを認定されたことから議員を辞職した印象を与え、視聴者に誤解を与えた」などと主張した。そのうえで申立人は、「元市議セクハラ訴訟」という名称をやめることや誤解を与える放送をしたことについて訂正と謝罪等を求めて申し立てた。
これに対してテレビ埼玉は、放送では「被害を訴えた職員を相手取った裁判」と明記していることや、申立人代理人が報道各社に配布した訴状から「セクハラの有無が裁判の争点となると判断した」ことを挙げ、「名誉を損なうとか、放送倫理に反するとは考えていない」と反論している。また、テレビ埼玉は、「言葉の順番が違うことで誤解を招きかねない懸念が残る」と判断し、当該放送のあった日の午後9時半のニュースで修正した内容で放送したほか、市議会選挙直後の4月22日の『News545』の中でお詫びと訂正を行っている。

20日に開かれたBPO放送人権委員会は、委員会運営規則第5条(苦情の取り扱い基準)に照らして、本件申立ては審理要件を満たしていると判断し、審理入りすることを決めた。次回委員会から実質審理に入る。

放送人権委員会の審理入りとは?

「放送によって人権を侵害された」などと申し立てられた苦情が、審理要件(*)を満たしていると判断したとき「審理入り」します。
ただし、「審理入り」したことがただちに、申立ての対象となった番組内容に問題があると委員会が判断したことを意味するものではありません。

* 委員会審理に必要な要件については、同委員会「運営規則 第5条」をご覧ください。