視聴者からのご意見

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判など。

2017年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,649件で、先月と比較して385件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では30歳代29%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は884件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は51件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は122件で、前月から81件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「差別・偏見」が22件、「報道・情報」が14件、「いじめ・虐待」が12件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、タレントの新築祝いでカレーパーティーを開く企画について意見が寄せられた。「差別・偏見」では、バラエティー番組で、タレントが同性愛者を思わせるキャラクターに扮した演出について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、不倫騒動にある女優と、秘書に暴言を吐いた女性議員の報道を朝から晩まで放送している。女優の不倫問題は、徹底解析と題してまで報じる必要があるのか疑問だ。他に放送することがないのだろうか。各局とも異常過ぎる。

  • 女優の不倫報道を取り上げ、不倫相手が女性の下着をかぶっている写真があったと騒いでいた。どのような趣味があるのか知らないが、少なくとも相手は一般人である。テレビで“変態扱い”して許されるのか。影響力を少しは考えたらどうだ。騒ぎ過ぎだ。

  • 国会議員の不倫で大騒ぎするのはもううんざりだが、それよりも気になるのは、人によってメディアの報じ方に差があることだ。人格攻撃をし、辞任を迫っていたメディアが、他党の議員の不倫だと「私生活と仕事は別」と大声で言い出す。今までメディアが「国会議員の不倫は倫理観がない、議員失格だ」と言っていたのは何だったのか。自分達の基準で対応に差をつけるのは、あまりに不自然で理不尽だ。

  • ニュースで、視聴者提供映像が使用されているのをよく見かける。事件や事故の現場において「やばいやばい」「早く逃げた方がいいよ」など、はしゃぎながら撮影していて不快だ。また、偶然居合わせた一般の人たちも勝手に撮影され、それを放送で流されてしまうこともあり気の毒だ。最近、人身事故に遭遇したが、鉄道会社や救急隊員の方が、懸命に人命救助のために作業している中で、笑いながらスマホで事故現場を撮影しようとしている乗客が数多くいて驚いた。視聴者提供映像に対するガイドラインを制定し、意識啓発を図る必要があると思う。同じルールで制限しなければ、視聴者の撮影がエスカレートし、大きな事故につながりかねない。

  • テレビ各局は、ミサイル発射時のJアラートの不備を散々批判しているが、日本がいつ標的にされるかも分からない状況で、政府の対応を批判する前に、まずは、有事の際に身を守る方法をもっと伝えるべきではないか。どんな行動をすべきか、どのような場所に避難するのが一番安全なのかといった、視聴者に有益な情報を優先して報道する必要があると思う。

【番組全般・その他】

  • 毎週楽しみにしていたドラマ。最終回でワクワクドキドキしながら見ていた。最後はどうなるのか、どんな結末か、誰が黒幕なのか。最終的には黒幕が多重人格者で逮捕され、最後の一言が「バラの匂いがする」で番組が終了した。本当の完結編は有料サイトで配信するとのこと。有料サイトへの勧誘か。これに登録しないと完結編が見られないのはおかしい。テレビであるのにテレビでない。

  • 最終回に、続きを匂わすようなエンディングをし、続きは動画配信で有料放送するというやり方は如何なものか。「番外編」と言えば許されるようなことであれば、今後もこのような形でドラマの事実上の最終回が有料ネット放送になりかねない。これから先、インターネットが得意でない40歳以上の世代は、コンテンツを最後まで見られない可能性がある。テレビのコンテンツが、インターネットと繋がることは時代の流れなのかもしれないが、テレビを楽しみに見ている人々にとって、非常に理解しがたいやり方だった。

  • 中部地方の旅番組で、一般の人たちを取材していたが、あまりにも馬鹿にした態度で出会い頭の人たちを無理矢理に番組に参加させていた。人をけなす出演者もひどいが、スタッフもそれをあおっていた。田舎の素朴な人たちを終始小馬鹿にした制作者の姿勢は、非難されるべきだと思う。ローカル番組だと思って好き勝手にやっていたのではないか。取材された人たちの困惑具合から、これはいわゆる仕込みではないように思う。ここまで不愉快な番組は久しぶりだ。

  • 昼の番組で、四国の県議会議員の海外視察を取り上げていた。ゲストとコメンテーターが、視察内容や議員の報告に対し意見を述べるものだが、私たち一般の有権者には知り得ない内容をテレビで放送してもらうと、議員の活動がきちんとなされているか監視することができる。また、これにより議員の観光旅行のような無駄な視察も減り、私たちの税金が有効に使われるようになると思う。「番組はこれからも、このような監視を続けていく」と、司会者が明言していたので期待して見ていきたい。番組をきっかけに、社会がよい方向に変わっていくことを望みたい。

  • 夜のニュースで、国連での演説で北朝鮮を強く批判したトランプ大統領のことを、北朝鮮の外相が「犬の遠吠えだ」と揶揄した。そのことを伝える際、犬を抱いたトランプ大統領の映像と犬の鳴き声の効果音を流した。まるで北朝鮮の言い分に呼応してふざけているようなもので、演出として不適切だった。

  • 私は看護大学で専任講師をしている。学生には性の多様性を踏まえた看護の大切さを教える日々だ。そんな中、男性への性的指向をもつと思われる人物を嘲笑するキャラクターが復活したことを大変危惧している。周囲の無理解が差別的な発言を産み、それによってカミングアウトできない当事者が多くいて、その結果、日本では性的マイノリティーが周囲から見える存在にならず、差別も是正されない悪循環が起こっている。性的指向への差別をなくそうと国全体が動こうとする中、影響力の大きなメディアが、特定の性的指向を嘲笑することによって、性的指向はバカにしてよいものだというメッセージが発せられたことになる。このようなキャラクターを二度と使わないことを望む。

【ラジオ】

  • 東北地方のラジオは、高校生向けの進路情報番組と題しているが、原発反対、政権批判、総理批判がひどすぎる。これでは高校生の進路指導向けではなく、選挙権を得た高校生へのプロパガンダではないか。このような番組を聞くことは、思想の偏りにつながりかねない。

【CM】

  • 旅行、ホテルなどの海外オンライン予約会社のCMが増えている。消費者庁からは、トラブル増加の注意喚起がされているが、公共性の高いテレビCMで流された企業が、実は日本の法律が適用されないことを、どれだけの人が知っているのだろうか。トラブル増加の背景には、テレビCMを信用し、日本の旅行会社と勘違いしてしまった人もいるのではないか。日本の法律が適用されない、このような会社についてのガイドラインを設ける必要があると思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントの新築祝いの企画で、新居に押し掛け、カレーパーティーを開き、置物や時計をカレーにつけていた。食べ物で遊んでいる時点で気分が悪い。子どもの教育にも悪い。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、同性愛者を思わせるキャラクターが描かれていた。子どもにとっては、LGBT当事者への差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県で、未成年の男女が、少年に死傷させられた事件で、死亡した男子生徒の顔・実名が報道されている。加害者が秘匿されているのにもかかわらす、被害者がさらし者にされている。報道各社には被害者とご家族への配慮、温情が欠けている。

  • 議員、有名人などの不倫・浮気に関する報道をやめてもらいたい。報道された人の子どもが間接的に社会的制裁を受けているからである。不倫報道がいじめの原因になる可能性を、放送局は考えないのだろうか。