2015年12月に視聴者から寄せられた意見
暴力団の内部抗争を大きく取り上げているが、まるで社会の重要人物みたいな扱いで、違和感を覚えたなどの意見。女性のお天気キャスターが生放送中に突然泣き出したことを扱った番組に対し、笑いのネタにするのは如何なものかなどといった意見があった。
2015年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,202件で、先月と比較して288件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話26%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性77%、女性22%、不明1%で、世代別では40歳代26%、30歳代25%、20歳代17%、50歳代16%、60歳以上14%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は527件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、17件を会員社に送信した。
意見概要
番組全般にわたる意見
暴力団の内部抗争を大きく取り上げているが、まるで社会の重要人物みたいな扱いで、違和感を覚えたなどの意見が寄せられた。
女性のお天気キャスターが生放送中に突然泣き出したことを扱った番組に対し、笑いのネタにするのは如何なものかなどといった意見があった。
ラジオに関する意見は46件、CMについては35件あった。
青少年に関する意見
12月中に青少年委員会に寄せられた意見は119件で、前月から6件増加した。
今月は、「表現・演出」「低俗、モラルに反する」がそれぞれ19件と最も多く、次に「視聴者意見への反論・同意」が15件、「暴力・殺人・残虐シーン」「性的表現」がともに14件と続いた。
「表現・演出」については、いわゆる"ドッキリ番組"についての意見が複数寄せられている。「低俗、モラルに反する」では、深夜帯に放送された生放送のバラエティー番組に一般視聴者の小学生が電話で出演したことについて、多数の意見があった。
「暴力・殺人・残虐シーン」については、ドラマでの猟奇的なシーンやバラエティー番組での暴力的な映像が子どもに与える影響を懸念する声が多かった。「性的表現」については、お笑いタレントのネタに性的内容が含まれている場合は放送時間帯に配慮すべきとの意見が目立った。
意見抜粋
番組全般
【取材・報道のあり方】
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暴力団の内部抗争を大きく取り上げているが、暴力団の話題を一般のニュースと同列に扱うなどとんでもない。「組織のナンバー3が云々」とも言っているが、政界か財界の重鎮のような呼びかたで、暴力団員に使うには不適切だ。暴力団関連の話題を伝えることには反対だが、どうしても必要な場合は美化しないように気をつけてほしい。
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妻が夫を毒殺しようとしたという事件について放送していた。使われた2種類の毒のうち"キョウチクトウ"について、毒があると詳細に説明していた。全国の公園や街路樹に植えられており、園芸店でも簡単に入手できるとまで言っていたが、如何なものか。よからぬ考えを持った人物がこの情報を得て、犯罪に利用しないとも限らない。放送内容については、もっと慎重に検討するべきだ。
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裁判員裁判制度による初の死刑が執行された。判決に関わった裁判員に電話取材をしていたが、なぜその必要があるのか。そのままの音声を流していたが、コメントで良かったのではないだろうか。判決に負担を感じているだろう裁判員に、更にマスコミへの対応という負担まで負わすつもりなのか。
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女子中学生に会う男性などを特集していたが、そのやり方に疑問を感じた。放送局側が女子中学生と偽り、出会い系サイトを通じ男性と会う約束をし、実際にその現場に現れた男性に対し、追いかけ取材を行っていた。確かに出会い系サイトなどを通じ、女子中学生と会う男性の行為は許されることではない。ただテレビ局側の正義を振りかざした取材方法に、強く疑問を持った。
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自転車の交通安全に関するニュースで、コメンテーターが「実は私は自転車の飲酒運転をしている」と言った。発言を聞いてキャスターの顔色が変わっていたが、そういうコメンテーターを出演させるのは、如何なものか。
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福岡市の人口が神戸市を抜き、全国5番目になるというニュースについて、福岡市と神戸市でインタビューをしていた。福岡市では、明るいバックグラウンドミュージックを流し、勢いのある街という演出をしていた。一方、神戸市では、高齢者にインタビューをして、もの悲しく暗いバックグラウンドミュージックを流し、衰退した街であるという演出をしていた。明らかに神戸市が衰退しているという結果にもっていきたい、結論ありきの取材だったのではないのか。また、高齢者を街の衰退の象徴と位置付けているようにも感じられ、不愉快だった。
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女子中学生が先月から行方不明になっていた事件で、容疑者が捕まり本人が保護された。そのことを伝える際、女生徒の顔写真と氏名を何度も出していた。被害者に対する配慮に欠けているのではないか。若い女性が被害者となるこの種の事件では、公開捜査の段階で氏名と写真を出すものの、解決と同時にそれらを伏せることが常識なのではないのか。
【番組全般・その他】
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女性お天気キャスターが放送中に泣き出してしまった他局の出来事を取り上げていたが、キャスターは、「ネタにしたい話だ」という趣旨のことを笑いながら述べていた。揶揄して笑いのネタにするのは如何なものか。気象予報士の若い男性が、彼女の気持ちを擁護していたが、番組の流れはこの女性キャスターをバカにするようなタッチだった。
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テレビでよく見る裸芸人が出演していた。普通のお店への取材であるにもかかわらず、パンツ1枚で訪れてインタビューしていた。"持ちネタ"であるにせよ、街中をパンツ1枚で歩いて見知らぬ人に話しかける様には、違和感があった。ある種、公然わいせつにも等しい。せめて道を歩く時くらい、上着を羽織るなど考慮するべきではないか。
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人間として人生を頑張っている人を紹介し、共感や励ましにもなる、とてもよい番組だ。ただ一点、この番組に限らず、元暴走族やそれに準ずる人に焦点をあてている点が気になる。焦点をあてられた人が元「何々」だった時に、深い心の傷を与えてしまった人たちに対しての配慮などが、この手の番組にはない。かつて被害を蒙った家族として、意見したい。
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伝説の大女優の、生前の隠し撮りされたであろう映像を流すことは、如何なものか。一切の芸能活動から身を引いて静かに暮らしていた生活を隠し撮りして、亡くなったと同時に公開するなど、礼節に欠けている。本人も女優時代の姿をファンには記憶してほしかったであろうし、ファンも女優時代の彼女をいつまでも覚えていたかっただろう。
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ドッキリ企画をしかけるのだが、ドッキリの内容が"寝起きに突撃取材"などという単純なものではなく、"もし高級車を内緒で購入したら"や"妊娠していたら"など、家庭崩壊につながりかねない悪質なテーマが多く、不快になる。こんなくだらない番組ではなく、もっとまじめなドキュメンタリー番組を放送してほしい。
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警察の密着番組を見た。警察官がいかに頑張っているかを伝えるという趣旨はよくわかるが、不祥事が多い警察を持ち上げている気がする。自分の身内や友人には警察官もいて内情を聞いているが、内容には過剰な演出があると思う。
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放送の中で外国語を平然と使用しているが、日本語にかえることが出来ない固有名詞ならともかく、何でもかんでも外国語を使用している解説者が多々見受けられる。もっと日本語を大事にしてほしい。
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スポーツコーナーのコメンテーターが、日本のプロ野球からアメリカのメジャーリーグへのポスティングシステムについて、「人身売買」という表現をした。ポスティングシステムは、日米両国の機構で取り決めた正当な方法だ。移籍希望する日本人選手を「人身売買される奴隷」扱いしたということにもなり、人権意識の欠如を示している。
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放送に対してやたらと批判的なニュースばかり目にするが、素晴らしい番組も中にはあり、批判するだけではなく、優れた番組を制作するテレビ局を表彰する機会などをもっと増やしてほしい。
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部屋で寝ているお笑い芸人に、「毎朝50kgの土砂をかけるとどうなるか」というかって放送した企画を紹介していた。顔から全身に土砂をかけて埋めていく映像を、お笑い芸人などが見て大笑いしていた。日本国内では大雨による土砂災害で尊い命を失った方がいるというのに、「土砂をかけて笑う」というのは信じられない。
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仕掛け人が同性愛者のフリをして、その秘密をターゲットが守るかどうか試すという内容だった。仕掛け人が男性相手にわざと抱き合う場面があり、「気持ち悪いポーズ」「恐怖」などと説明していて、残念に思った。同性愛者に対する差別的表現ではないか。番組制作者は同性愛者に対して「気持ち悪い」「怖い」と感じることがあるのかもしれないが、偏見であると知ってほしい。
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10年間日本に住み、飲食業界のサラリーマンである外国人の私にとって、内容がかなり失礼だった。見る人を笑わせながら日本のラーメン屋の優越性を主張するための番組だと思うが、内容と実情が一致していなかった。オーナーやスタッフをバカにしすぎていた。海外で頑張って日本食文化を広めようとしている方々にとって大きな侮辱だ。
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生の鶏肉を提供する店を紹介していた。「"新鮮"だから生で食べられる」と言っていたが、新鮮なものほど、菌がいるのだ。テレビで放送することにより、視聴者に鶏肉は生でも平気で食べられるという誤解を与えることになる。全国放送なのだから、そういったことを確認してから放送していただきたい。
【ラジオ】
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聴取率週間の一環として各ラジオ局が「現金や豪華商品などが当たるスペシャルウィーク」などを謳い文句にして、普段から聴取しているリスナーを蔑ろにした特別編成を組んでいる。さらにラジオ・テレビ兼営局に至っては、テレビ番組でもラジオのスペシャルウィークの宣伝すらしている。若者のラジオ離れやインターネットのせいにして広告費収入をぼやきながら、スペシャルウイーク中だけ出現するリスナーに現金や商品をばら撒くのは逆効果だ。
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「ワイドFM」というものが開局した。今日は、開局初日ということで、3人がメインでトークしていたのだが、話の内容は、あまりにも下世話で品のない発言が多かった。ラジオであっても言っていいことと悪いことがある。聴いていて気分が悪くなった。
【CM】
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テレビ通販で「割引セール中につき、セットで○○万円」などと宣伝することがよくある。その○○万円という価格に目が奪われがちだが、実際にはそこに消費税や配送料などかなりの金額が加算される。本体価格である"○○万円"の数字につられてつい注文したくなるが、電話をして消費税や配送料のことを知り、断念することもある。総額が一目で分かるようにもっと大きくはっきりと表示すべきだ。
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爬虫両生類・有袋類・鳥類・哺乳小動物の展示・即売会のコマーシャルが流れているが、動物の命の売り買いは決して良いことではない。安易なテレビCMはやめてもらいたい。
青少年に関する意見
【「表現・演出」に関する意見】
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タレントに仕掛けを施して驚く様を隠し撮りする、"ドッキリ番組"をしばしば見かける。特殊詐欺やいじめが社会問題化している中、このような番組は「人をだましてもいい」「だまされた人を笑ってもいい」「隠し撮りをしてもいい」との誤ったメッセージを視聴者に伝えることにならないか心配だ。
【「低俗、モラルに反する」との意見】
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深夜帯の生放送のバラエティー番組に、視聴者である小学生が電話出演していた。当該番組は視聴者から不幸な話をはがきで募集して、その話の内容によってプレゼントをもらえるというものだが、電話をかける相手を番組スタッフが選んでいるようだった。夜遅くに子どもからのはがきを選び、出演させるのはいかがなものか。
【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】
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ドラマの中で、主役である女性の体を刃物で次々に刺していくシーンがあり、子どもたちが影響を受けないのだろうかと心配になった。映画には年齢制限があるが、地上波テレビにはない。表現の自由やリアリティーを追求する演出も大事だとは思うが、テレビには年齢制限がないからこそ、このような映像にはもっと配慮が必要ではないか。
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バラエティー番組で、お笑いタレントが他の出演者の胸に突然飛び蹴りをしていた。胸への飛び蹴りは大けがや、場合によっては死に至る可能性もある行為だ。子どもが真似するおそれもあるので、このようなシーンを放送しないでほしい。
- プロ野球の乱闘シーンにふざけた実況解説をつけるなどして、面白おかしく取り上げていた。暴力を正当化しているようにも思われ、これを見た青少年への影響を懸念している。暴力行為を球団は批判しており、罰金などを科しているし、場合によっては刑事事件になる可能性もある。スポーツ界だけではなく、一般社会でも許されない行為を公共の電波で面白おかしく放送したことに強く抗議する。
【「性的シーン」に関する意見】
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昼間に放送されたバラエティー番組で、お笑いタレントが「セフレ」(性交のみの関係を意味する言葉)と連呼していた。コントのネタではあるが、子どもも見ている時間帯であり、非常に不快だった。