視聴者からのご意見

2023年10月に視聴者から寄せられた意見

2023年10月に視聴者から寄せられた意見

性加害問題についての芸能事務所記者会見の報道や在京キー局の自己検証番組への意見、放送事業者のあり方に関する意見などが寄せられました。

2023年10月にBPOに寄せられた意見は 5,150件で、先月からほぼ倍増、2,647件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 92.9% 電話 6.6% 郵便・FAX計 0.5%
男女別(任意回答)は、男性18% 女性34 % で、世代別では 30歳代 25% 
40歳代 24% 50歳代 24% 20歳代 14% 60歳代 8% 70歳以上 2% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、10月の送付件数は2,971件、41事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から19件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

創業者(故人)による性加害問題をめぐって芸能事務所が2回目の記者会見を行うなどの動きがあり、10月も多くの番組でこの問題が取り上げられました。また、前月のNHKに続いて民放各局がこの問題に関する自己検証番組を放送しました。こうした報道や検証番組などへの意見、放送事業者のあり方に関する意見などが寄せられました。
ラジオに関する意見は25件、CMについては15件でした。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は188件で、前月から102件増加しました。
今月は「要望・提言」が102件と最も多く、次いで「報道・情報」が28件、「表現・演出」が27件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • アメリカ連邦議会議事堂でユダヤ人団体がイスラエルに抗議している映像を流し、「パレスチナ人が座り込み」「生活に不満」などと説明していた。在米ユダヤ人の中にも反イスラエルの動きがあることを示す映像を使って真逆のことを報じており、パレスチナ人に対する偏見をあおっていると受け取られかねない。

  • パレスチナとイスラエルに関する報道で、日本赤軍の元最高幹部の娘を単なる「ジャーナリスト」として出演させたことは妥当だったのか。母親の罪とは無関係だとしても、彼女の立場・背景について番組内で全く触れないのは問題があるように思う。

  • (日本赤軍の元最高幹部の娘かどうかとは関係なく)彼女の出演によってパレスチナとイスラエルの問題を双方の見方から知ることができた。今回のできごとについて彼女の話で初めて知った一面もあるなど、とても興味深く参考になった。

  • ニュースで、不祥事を起こした企業のトップがパニック障害を理由に記者会見を欠席したことについて関係者が「そんな甘えた話があるか」と発言したビデオが放送された。これをカットせず放送したということはそのテレビ局も同じ認識だということ。パニック障害や他のメンタルの疾患の人への差別や偏見を助長すると思う。

  • メディアは性加害問題に関して連日、芸能事務所を批判しているが、メディア自身を批判しないことが理解できない。さまざまな場面で沈黙、忖度(そんたく)することをなぜ改めないのか。日本のメディアがどう変わるか、視聴者はいつも見ている。

  • 男が女性のスカートの中を盗撮しようとした現場に記者が居合わせたとして、容疑者が追跡・逮捕される様子をその顔、実名とともに伝えていた。容疑者は否認、スマホには写真・動画がひとつも残っていなかったという。顔と実名をテレビで全国に拡散された人の人生に責任を負えるのか。

  • 番組スタッフからX上で「商業施設でのライトアップの画像を使わせてほしい」と連絡があり、快くOKしたが、実際の放送では「ハロウィーンでマナー違反」とマイナスのイメージで使われていた。

  • 立てこもり現場の報道ヘリの騒音で、昼間は警戒を呼びかける市の防災無線が聞き取れず、夜は22時を過ぎても飛んでいて眠れないほど。協定などで制限すべきではないのか。

【教養・バラエティー】

  • ゲスト出演した京都大学准教授の「オミクロン株は何者かが人工的に改変し、ばらまいたもの」といった主張を紹介。番組内でそれを否定したり、注意を呼びかけたりすることもなかった。公衆衛生・医療に関する情報は人命に関わる。慎重に扱ってほしい。

  • 「安いスーパー」を特集、業者が開店前に商品に「半額」のシールを貼り、販売する様子を紹介していた。これでは「半額」は値引きの結果ではなく、最初に設定した価格であり、景品表示法にふれるのではないのか。

  • 地元の食堂が紹介されたが、この店には駐車場が4台分しかなく、放送後は路上駐車で渋滞が発生し、住民はとても困っている。駐車場の小さい店を紹介する時は臨時駐車場を用意するなど放送後のことまで考えてほしい。

  • ドッキリを仕掛けられたタレントが痛がる様子を笑う。テレビでは「仕事」だが、実社会ではいじめの構図だ。テレビ局はこうした番組を放送する一方、報道番組ではいじめを厳しく批判していておかしい。

  • 男性芸人が「人間体重計」と称して女性芸人の全身を持ち上げ、性行為を思わせる動きをして笑いにしていた。女性芸人が後輩であること、番組収録中であることなど断りづらい状況がある。芸人自身はもちろん、“面白いシーン”としてそのまま放送したテレビ局も感覚を改めてほしい。

  • レギュラー出演者が交代したが、後任は同じ芸能事務所の後輩だ。こういった「○○(事務所名)枠」の継続は忖度につながらないか。他事務所のタレントには平等なチャンスを与えず、特定の事務所のタレントの露出を増やしてスターを作り上げていく。このようなことが繰り返されてきたことが性加害の黙認という結果にまでつながったのではないか。

  • 先日亡くなったタレントのパートナーが対談番組に出演。故人の人となり、偏見・誹謗中傷との闘い、多様性についての考え方などを深く掘り下げていて良かった。普段の放送でもディープな内容を増やしてほしい。

  • 「性について真面目に語る」とうたいながら、アダルトグッズを紹介したりポルノを肯定する発言を取り上げたりしていた。未成年者に誤解させる危険がある。

  • 性に関する情報、世界の性教育事情などを明るく楽しく知ることができた。人間は生きる上で性の問題と無縁ではいられない。10代の頃にこの番組を見たかったと心底思った。教育現場にも生かしてほしい。

【ドラマ】

  • 自衛隊の「陰の組織」とテロ組織との闘いを描いたドラマ。ダイナミックな演出が毎週楽しみだった。このような大規模な番組が、ドラマに限らずバラエティーからも出てくるといいなと思う。

【スポーツ】

  • バレーボールの国際試合の中継中に、天井に張ったカメラ用のワイヤーが切れて試合が中断。ボールがどこに飛ぶか分からない競技で、必須ではない天井カメラを使うという選択はどうだったのか。

  • ラグビーW杯日本戦の中継当日の報道番組で画面右上に「決戦まであと○分」と表示されていたが、実際には「試合直前スペシャル」という特別番組が始まるまでの時間だった。「決戦まで」と表示されれば試合開始までの時間だと思ってしまう。問題ではないか。

【その他】

  • 性加害問題に関する放送局の自己検証番組では「芸能事務所側の圧力はなくテレビ局側が忖度した」というが、テレビ局は過去、同様の説明をした政権・政府を厳しく批判しており、矛盾を感じる。また今回のようにメディアが「忖度=報道しない」選択をした場合、視聴者側には打つ手がない。メディアを監視する仕組みが必要ではないか。

  • 芸能事務所との関係についてテレビ局が「社内調査の結果」を伝えていたが、自身による調査では信ぴょう性に欠ける。調査は芸能事務所と同様、第三者に委ねるべきではないか。

  • 性被害に対する補償は当該芸能事務所だけではなく、創業者の行為を結果的に容認してきたマスコミ各社も行う必要があるのではないか。

  • 人気男性アイドルグループの「公開謝罪」は所属事務所によるパワハラであった可能性はないのか。タレント本人の人権を軽視する事務所とテレビ局の姿勢が、性被害拡大の背景にもあるのではないか。また性加害問題を皆が「うわさ」と受け流したことが被害拡大の大きな要因になったことを考えれば、多くの人が違和感を持った「公開謝罪」問題を何の検証もなく終わらせるべきではないと思う。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 芸能事務所の創業者(故人)の性加害が本当であれば許されることではないが、事務所は被害者への補償を進め、新事務所を立ち上げると前向きだ。これにテレビで毎日のように批判を繰り返すのはただのいじめにしか見えない。

  • 問題の芸能事務所の若いタレントが出演する番組の観覧募集に当選していたが、4日前に突然、収録中止のメールが来た。新幹線やホテルをキャンセルしなければならない。もう少し早めの連絡がほしかったし、なにより才能ある若者たちの活躍の場を奪わないでほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 情報番組やバラエティー番組の中で、週刊誌が報じた芸能事務所の性加害問題の記事をなぞるだけの報道が多い。(番組自身で)検証した内容でなかったり、記事の一部だけを切り取ったりしたものだ。人権侵害にならないのだろうか。

  • 大学運動部の大麻事件報道で、逮捕された特定の容疑者の扱いが大きい。氏名はもちろん、顔写真も毎回大きく映される。他大学でも類似の事件が報じられるが顔写真は出ない。なぜ特定の容疑者だけが「標的」になるのか。まだ21歳だ。メディアによる制裁はもう十分ではないか。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、回転寿司チェーン店の寿司をアレンジしての食べ方を紹介。お茶の中に海苔で巻かれた寿司を入れ、かき混ぜて食べていたが、見ていて不快になった。子どもが真似してほしくない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が「人間体重計」と称して、女性芸人を抱きかかえて体ごと上下させた。性行為の体位を連想させるもので、子どもも視聴する番組でやるべきではなかった。

【「言葉」に関する意見】

  • ニュースの中で、特定の政治家を「増税メガネ」と表現していた。見た目を揶揄(やゆ)する表現は侮辱だと感じる。私の子どもも視力が弱くてメガネをかけているが、「〇〇メガネ」とあだ名を付けられる可能性があって、教育的によくない。報道番組ではなおさら問題だろう。