視聴者からのご意見

2023年9月に視聴者から寄せられた意見

2023年9月に視聴者から寄せられた意見

芸能事務所創業者による性加害問題をめぐって、報道内容、放送事業者の責任など
さまざまな観点から意見が寄せられました。

2023年9月にBPOに寄せられた意見は 2,503件で、先月から 388件増加しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 87% 電話 12% 郵便・FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性31% 女性26 % で、世代別では 40歳代 24% 30歳代 23%
50歳代 22% 20歳代 12% 60歳代 11% 70歳以上 3% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、9月の送付件数は1,175件、49事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から18件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

9月も芸能事務所創業者による性加害問題をめぐって、報道内容、出演者の起用、放送事業者と芸能事務所との関係、放送事業者自身の責任などさまざまな観点から意見が寄せられました。ラジオに関する意見は30件、CMについては17件でした。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は86件で、前月から38件減少しました。
今月は「要望・提言」が39件と最も多く、次いで「表現・演出」が23件、「報道・情報」が14件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 電動キックボードによるひき逃げの疑いで20代の女が逮捕されたニュースで、警察車両内の容疑者の顔を何度も繰り返して放送していた。一般人でもあり、事案からみてもやり過ぎではないか。

  • 芸能事務所での性被害問題で、情報番組の出演者が、当該事務所の所属タレントのテレビ出演について「今までのように見られない人もいると思う」などと発言。彼らが世間の好奇の目にさらされることを助長しないか。

  • 芸能事務所の性加害問題に関する当該事務所の会見について、その所属タレントがMCを務める情報番組はその直後の放送回で一切触れなかった。放送すべき責任があるのではないのか。

【教養・バラエティー】

  • カセットガスコンロにホットサンドメーカーを乗せて調理、さらに上からガストーチであぶっていた。両面を加熱することで時間短縮を図ったようだ。出演者は安全に配慮していたようだが、危険が潜む行為を放送する際はテロップで注意喚起するなど、より一層慎重であってほしい。

  • 取材対象の家族が、軽トラックの荷台に子どもらを乗せて走行していたシーンは道路交通法違反ではないか。事故につながりかねない。

  • 番組で発表されるキーワードをX(旧twitter)でつぶやくとプレゼントが当たるという企画のキーワードが「#○○(タレント名)逮捕」だったため、番組を視聴していないXユーザーは「○○が逮捕されたのか」と惑わされた。フェイクニュースが問題視されるなか、不適切だ。

  • イタリアで13歳の少女が殺害された事件の顛末(てんまつ)を描きながら、いくつかのポイントをクイズにしていた。人が死んでいる事件の内容をクイズにし、出演者がふざけて笑ったりしているのは不適切だ。

  • 最近、バラエティー番組やワイドショーで、特定のスーパーや量販店の商品ランキング、オススメ商品紹介といった内容がとても多いと感じる。番組そのものがCMのような放送はいかがなものか。

  • 素朴な疑問を、その道のプロの協力を得て本気で実験・検証する番組。「こうしたら?ああしたら?」と思考が自然に番組に向かい夢中で見た。大人から子どもまで楽しく見られ、とてもいい番組だと思う。世の中、まだまだやってみないとわからないことが沢山あると思えた。「四角い花火」など今後もいろんな実験にチャレンジしてほしい。

  • タレントの人権を尊重すべきなのはもちろんだが、性加害問題に揺れる事務所のタレントをモヤモヤしながら見続けるのは苦痛。大好きだった番組も楽しく見られない。

【その他】

  • 芸能事務所創業者による性加害問題について、日本の報道機関はなぜ取材・調査しなかったのかなど、具体的に説明してほしい。海外の報道機関が調査できたのに国内の報道機関がなぜ真摯(しんし)に取り組まなかったのか疑問に思う。

  • 調査した再発防止特別チームは被害拡大の一因として「マスメディアの沈黙」を指摘している。報道機関はCM契約など他企業の動向を伝えるだけでなく、一当事者として経緯を検証し、明らかにしていく責務があるのではないか。

  • タレントの起用を継続すれば児童虐待や人権侵害をした組織への金銭の支払いが発生することになる。放送局はそうした組織をサポートすると理解されてもいいのか。

  • 視聴者プレゼント当選の連絡の電話が番号非通知で発信されるため、それを受けられる設定をするよう求める番組があるが、私たち高齢者世帯には詐欺被害等を防ぐため番号非通知の電話を受けない設定が推奨されている。ほかの連絡方法にしてほしい。

【ラジオ】

  • 紹介したリスナーからのメールが「スズメの巣をカラスが狙っているのでエアガンで追い払っている」という内容だった。鳥獣保護法でそのような行為はできないはず。リスナーの法律違反はともかく、それを公共の電波で放送し、アドバイスまでしている。スタッフ、出演者、誰もおかしいとは思わなかったのか。

青少年に関する意見

【「要望・提言」】

  • 性加害の問題を起こした芸能事務所所属のタレントが出演する番組を止めてほしい。海外でこの問題は報道され続け、日本社会全体が未成年者への性加害に寛容だと思われている。

  • 芸能事務所の性加害問題をめぐって、各企業がCM契約の終了や番組スポンサーの降板などを表明しているが、故人の犯罪から矛先が事務所批判になり、現に活躍するタレントたちが仕事を失う事態になっている。これはタレント個人に対する権利侵害になるのではないかと感じる。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 出演者が捕まらないように逃げ回るバラエティー番組で、横浜中華街での逃走が放送されたが、通行する車両や一般人が映りこんでいた。飲食店街での全力疾走であり、それをカメラマンが追いかける。出演者の安全以上に、通行人らが負傷する危険が伴うだろう。

  • 路線バスを利用した旅番組で、出演者が出くわした女子生徒に「マスク、取れる?」「お小遣い、いる?」などとしつこく話しかけていた。もし自分の娘がそんな言葉をかけられたら、警察に通報するレベルだ。その出演者や番組の神経を疑う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • プロ野球セ・リーグの優勝報道で、大阪・道頓堀を映すのをやめてほしい。熱狂したファンによる迷惑行為がなくならないのは、メディア報道のせいだと思う。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 評判の飲食店を紹介するバラエティー番組で、従業員が店内で喫煙している飲食店に、20歳未満の客が入るシーンが映ることがある。喫煙可能な飲食店には、20歳未満は立ち入れないはずだ。こうした店を番組で取り上げることに問題があるだろう。