視聴者からのご意見

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

2023年7月に視聴者から寄せられた意見

古代メキシコ文明に親しもうという子ども向け番組の歌の歌詞に、子どもに聞かせたくない表現がある、などの意見が寄せられました。

2023年7月にBPOに寄せられた意見は 1,607件で、先月から 166件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 83% 電話 15% 郵便 1% FAX 1%
男女別(任意回答)は、男性41% 女性19 % で、世代別では 40歳代 26% 50歳代 22% 
30歳代 20% 60歳以上 15% 20歳代 13% 10歳代 2%

視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、7月の送付件数は635件、53事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から15件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

コメンテーターが福島第一原発の「汚染水の放出」と繰り返し発言したが「処理水の~」であるべき、古代メキシコ文明に親しもうという歌の歌詞が「しゅうだんいけにえ200人」といったもので子どもに聞かせたくない、などの意見が寄せられました。ラジオに関する意見は42件、CMについては16件でした。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は118件で、前月から48件増加しました。
今月は「表現・演出」と「言葉」が34件ずつと最も多く、「報道・情報」が17件、「要望・提言」が10件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 4歳女児虐待死のニュースで、現場となった自宅アパートが特定できる映像が使われている。きょうだいは近くの小学校に通っているのですぐに特定されてしまう。配慮が必要ではないだろうか。

  • タレントの自殺の扱いかたを朝の番組で見比べたところ「今から10分ほど伝える。気分がすぐれないという方は10分ほど後にテレビの前に戻ってきてほしい」と断ってから始めるなど配慮を感じる番組もあれば、センセーショナルと感じる番組もあった。命の問題。ガイドラインを遵守してほしい。

  • 福島第一原発の話題でコメンテーターが繰り返し「汚染水の放出」と表現した。国際的な安全基準を満たしていると科学的に判断されている「処理水」の海洋放出が、さも危険であるかのように視聴者に誤認させるおそれがある。

  • 虐待の疑いで母親が逮捕された事件の報道で、被害児童の同級生に「やせ細っていなかったか」などと質問していた。事件の細部を同級生が知ることで被害児童の生活への影響が増大するのではないだろうか。

  • 番組で「危険な暑さ」「熱中症に厳重な警戒を」など呼びかけながら自社の屋外イベントを紹介している。矛盾している。

【バラエティー・教養】

  • 「河川で溺れた本人よりも救助者のほうの死亡率が高い」というデータを紹介していたが、あわせて示された出典を確認したところ、「二次被害が発生した場合」という前提条件がついていた。視聴者に誤解を与える。

  • 声を変えて他人になりすますことが可能な「AIボイスチェンジャー」という装置を、出演者に使わせて楽しんでいた。すでに犯罪に利用されている技術だ。生成AIに対する規制が議論されている現在、その一面だけを安易に紹介するのは危険だ。

  • 変装したアイドルグループのメンバーたちに「買い物」など街中でのミッションを課し、視聴者にはSNSなどで彼らを探すよう呼びかけた「かくれんぼ」企画。出演者が見破られまいと猛然と走って逃げるなど危険だと感じる場面があった。もう少し安全面に配慮して撮影してほしい。

  • 「7月28日は自由研究の日」の中で、ドライアイスを風船に入れてぬるま湯を注ぎ、破裂させるという実験をスタジオで実演していた。「たいへん危険なので家庭でまねしないでください」というテロップと説明があったが、危険なものをわざわざ紹介する必要があったのか疑問。

  • 日本語を理解できない外国人に、男性器を想起させるひらがなをプリントしたTシャツを着せて笑いにしていた。他国の人々を侮辱し、おとしめる企画で非常に不快。

  • いわゆるドッキリで、わんこそばの途中に酢入りの椀(わん)を出し、むせる様子を笑っていた。気管に入ったりすると危ない。

  • 全裸でいることを余儀なくされた男性の前に仕掛け人の女性が現れ、あわてふためく男性の様子を笑うドッキリ企画。「LGBT理解推進法によって心は女だと言えば男が女湯に入れる」などのヘイトスピーチが激化している状況下、あり得ないと思う。

  • 安倍元首相銃撃を機に霊感商法の危険性が再認識されたが、テレビは毎年夏になると心霊番組を放送し霊感商法を助長していると感じる。メディアは「心霊番組と霊感商法」の関係について議論してほしい。

  • 番組のサブタイトルが前週放送のスペシャル番組の「裏側に完全密着」。大々的な予告もあって楽しみにしていたが、この内容が放送されたのはわずか10分ほどで「裏側」もなし。本当にガッカリだ。

【ドラマ・アニメ】

  • ドラマで子どもが戸棚に隠れていたシーンをコミカルに描いていた。子どもがまねをすると危険。熱中症で亡くなった事例もある。

【その他】

  • 日々、相撲中継でたまり席の同じ女性がたびたび映る。手にしたうちわに大書された文字をネットで検索すると、女性は飲食店の経営者でうちわの文字は本人の源氏名だという。本人のSNSには過去、自分が映ったテレビ画面の画像。放送が宣伝に使われているような状況はいかがなものか。

【ラジオ】

  • 安倍元首相襲撃から1年というニュースで現在の警備体制、旧統一教会に対する質問権の行使状況などを伝えたが、批判が高まっていた「政治家と教団との関係」にはまったく触れなかった。不自然な報道だと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 紀行バラエティー番組。ロシアのある民族に関するVTRで、動物の血などを映像処理せず見せた。非常に生々しく気分を悪くした。その民族には日常の光景だろうが、そのまま放送するのはおかしい。子どもが見たら、悪影響があるかもしれない。

  • バラエティー番組で、男性芸人が温泉宿で入浴中にロッカーの暗証番号を変えたうえ、男湯を女湯に入れ替えるドッキリがあった。女性入浴客が徐々に迫ってきて、全裸の男性芸人を困惑させた。男性の尊厳を無視し、その性的プライバシーを軽視するものだ。

【「言葉」に関する意見】

  • 最近の犯罪報道で「闇バイト」という言葉をよく聞く。なんとなく響きが軽く、実態がうまく伝わらない。これに加担する若者が後を絶たないのも、言葉の持つ軽さが一因かもしれない。凶悪犯罪につながることを適切に表現する言葉を使うべきだ。

  • 子ども向けミニ枠番組のなかの体操の歌に「集団生け贄200人!」「天国行きたきゃ…心臓どくどく捧げよう!」などの歌詞があった。非常にグロテスクな表現で、子ども向け番組には不適切だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 自殺したとみられる若手タレントの元妻の女性タレントが、5歳の息子を連れて帰京した際、空港でテレビカメラが向けられた。幼児がいる場の対応としてはあまりにおかしい。そもそも遺族への取材は不要だと思う。

  • 小学校の校庭に軽トラックが侵入して児童がはねられた事件で、複数の報道・情報番組が目撃者である子どものインタビューを放送。子どもが精神的、心理的に不安定になっている状況でマイクを向け、当時の様子を思い出させる行為は容認できない。とても気分が悪くなった。

【「要望・提言」】

  • 近ごろは子ども向けアニメ番組が減っている。ゴールデンタイムにアニメが放送されなくなって寂しい思いだ。子ども向けアニメの放送枠を増やし、子どもに夢と希望を与えてほしい。

【「低俗、モラル」に反する】

  • 深夜のバラエティー番組で、女性の下着を数メートルの高い位置から落として、芸人が口でキャッチしたり、凍らせた下着をブーメランのように投げて飛距離を競ったりしていた。セクハラまがいの内容で、女性が見たら、さぞかし不愉快だろう。