視聴者からのご意見

2023年2月に視聴者から寄せられた意見

2023年2月に視聴者から寄せられた意見

生放送中のバラエティー番組でのニュース速報の扱い方、トルコ地震の救助現場からの中継リポートなどに意見が寄せられました。

2023年2月にBPOに寄せられた意見は 1,369 件で、先月から 238 件減少しました。
意見のアクセス方法の割合は、メール 80% 電話 19% 郵便・FAX 計1% 
男女別は男性45%、女性17%で、世代別では40歳代25%、30歳代22%、50歳代20%、60歳以上17%、20歳代10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、特定の番組や放送事業者に対するものは各事業者に送付、2月の送付件数は454件、43事業者でした。
また、それ以外の放送全般への意見の中から19件を選び、その抜粋をNHKと日本民間放送連盟の全ての会員社に送りました。

意見概要

番組全般にわたる意見

生放送中のバラエティー番組でのニュース速報の扱い方、トルコ地震の救助現場からの中継リポートなどに意見が寄せられました。ラジオに関する意見は28件、CMについては13件でした。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は73件で、前月から42件減少しました。
今月は「表現・演出」が30件、「性的表現」が16件、それに「要望・提言」が11件、
「暴力・殺人・残虐シーン」が4件と続きました。

意見抜粋

番組全般

【報道・情報】

  • 高速道路上にスピード抑制のために設けられた段差をめぐる問題を扱っていた。元々はルーレット族の暴走行為を抑止するためのものだが、逆にジャンプの高さを競う遊び場と化しているという。遊ぶ人たちが使う“ジャンプ台”という呼び名を用い、暴走ぶりを見せるなど、番組自体が野次馬化していた。好奇心をあおられ、まねをする者が必ず出ると思う。

  • 福岡県の老舗温泉旅館で基準値の3,700倍ものレジオネラ菌が検出された問題について、なぜか静岡県熱海市で街頭インタビュー取材をしていた。全く関係のない熱海市に風評被害を与えかねないと感じた。

  • ゲノム編集の安全性について説明した「専門家」が、ゲノム編集をビジネスに生かしている企業の関係者であることが示されなかった。公平な第三者的な見解であるかのような印象を視聴者に与えてしまわないか。

  • ひき逃げ事件の容疑者の足取りを解説する際、容疑者宅周辺を上空からの写真で指し示したことは行き過ぎだと感じた。画像から場所を特定される可能性がある。テレビはこうした画像をもっと慎重に扱うべきだ。

  • トルコ地震の救助現場からの生中継で、記者のリポートが救助活動の妨げになっているように見えた。リポート中に「あ、今も『静かにしてください』という声がありました」と状況を伝えながら、声を潜めて報告を続け、スタジオも「もう一言だけ」と質問していた。もし自分や家族が被災した場合、報道のために救助活動が妨害されるかもしれないと心配になった。

  • エネルギー価格高騰の特集で、その番組を放送している局自身の子会社が出資する再生エネルギー中心の電力小売り事業者を取り上げ、「資源価格が上がっている今こそ再生エネルギーに舵を切るチャンス」という発言を紹介していた。問題はないのか。

  • 情報番組などで特定の家電量販店や商品を大きく、詳しく取り上げ、「最新型」「破格の安さ」などと褒めちぎる企画がある。メーカーや店にとってはありがたいことだろうが、こうした放送が公正な競争を阻むこともあり得る。紹介される店は大型店が多く街の小さな店は太刀打ちできない。CM効果の大きい企画を番組として放送することに問題はないのか。

  • 朝の情報番組のニュース部分で、BGM、効果音を使ってより怖い印象を与えようとしている意図を感じる。ニュースをフラットに伝えていないと思う。

【バラエティー・教養】

  • 昼の生放送のバラエティー番組で容疑者逮捕のニュース速報テロップが出た際、出演タレントが「皆さん、ルフィが逮捕されました」とふざけた調子でくり返し、笑いを取っていた。人が亡くなっている事件をこのように扱うことはモラルに反する。

  • うその芸能ゴシップで人をどれだけ喫煙所に留めておけるかという企画で、「○○が自宅で大麻を栽培していた」といった架空のうわさ話を、実際のタレント名や局名を使って語らせていた。この番組は大好きで毎週見ているが、今回の企画は当事者の名誉を毀損しかねず、やりすぎだと思った。

  • 大食いタレントが力士らと大食い競争。食品ロス削減、持続可能性が叫ばれる中、ひどすぎる。食材になる家畜の命、育てる段階での環境への負荷などに考えが及ばないのだろうか。

  • 芸能人が電動工具で陶器を削っていたが、保護めがねを使用していなかった。注意喚起もなく放送するのはいかがなものか。番組を見た人間がまねて万一ケガをするようなことになれば誰が責任を負うのだろうか。視聴者に影響を与えるメディアなのに安全を簡単に考え過ぎだと思う。

  • 「我慢対決」などタバコの企画が続いた。内容はともかく喫煙シーンが延々と流れるのは問題だ。キー局がタバコの宣伝をしているようなもの。問題なのではないか。

  • 芸能人ママの子育て風景として、赤ちゃんを胸の前に抱っこして揚げ物をしたり刃物を使ったりする様子が紹介された。子育て経験の浅い母親がまねをしてしまうと危険だ。影響力が大きいので配慮してほしい。

  • 「動物と対話できる」という人を取り上げ、「天国にいった愛犬からのメッセージが生前の映像で分かる」といったエピソードを紹介していた。明らかに非科学的。商売としてやっている人を放送で紹介することは霊感商法を助長しているように感じる。

  • 強盗殺人事件への関与が取りざたされている人物と、10年以上前とはいえ接点を持っていたタレントは、被害者遺族の気持ちを考えたら番組に出演させるべきではない。

  • バッティングセンターで時速160kmの軟球を日本刀の居合斬りで真っ二つにする人物を紹介していた。ナレーションによると「バッティングセンターでいつもボールを叩き斬っている」。日常から真剣を振り回しているのであれば銃刀法違反だし、撮影のための行動だったのであれば「やらせ」、軽く表現しても過剰演出だ。

  • 平日昼に生放送されるバラエティー番組に、2つの家族がスタジオで「豪華景品をかけて競う」というコーナーがある。学校があるはずの子どもを毎週参加させているのはおかしい。

【ラジオ】

  • パーソナリティーが、話題のニュースに関連する人物の発言について、ニュースと何ら関係のないその人物の体形に言及しながら非難していた。リスナーがその人物を特定することができる表現で、聞くに堪えなかった。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 子ども向け特撮ドラマで、悪役のキャラクターが、歩道橋を渡っている母親から赤ちゃんの乗った乳母車を奪って階段上から落とすシーンがあった。乳母車は落下しきる前に異空間に吸い込まれてしまい、赤ちゃんの安否が不明のままその回は終了。そのシーンを見て不安を覚えた子どもの感情がその回のうちに救われなかったのは問題だろう。

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、女性アイドルグループがくす玉を割ったら、おもちゃの虫が無数に降ってきた。個々の虫は『G』マークで隠されていたが、隠さなければ放送できない内容を流すのは常軌を逸していて不愉快だった。

  • 同じ番組で、男性芸人が突然、プロレスのバックドロップを受けるドッキリがあった。安全を確かめて撮影しているのだろうが、一歩間違えればけがをしそうで不快。中高生がまねして事故を誘発しそうだった。

【「性的表現」に関する意見】

  • チャンネルを変えたら、男性芸人とその恋人の女性アイドルが温泉宿の湯船に入って濃厚なキスをするシーンだった。子どもも見るので、このような性的表現はテレビではやめてもらいたい。

  • 子どもたちが古い時代劇(の再放送)をなぜ見るのか気になって画面をのぞいたら、上半身裸の女性が映っていた。こうしたシーンは毎回あるようだ。いまのテレビに合っていないのではないか。少なくとも、子どもが見る夕方の時間に放送すべきではない。

【「要望・提言」】

  • 公立中学校の教員をしている。受験を控えた生徒が「学歴が全てではないのはわかっているが、クイズ番組で出身大学が表示されて『すごい!』となると、学歴が必要なんだ、学歴が有利に働くんだと感じる」という。クイズ番組がすべて悪いとは言わないが、もう少し配慮があるとよいと思う。