視聴者からのご意見

2021年9月に視聴者から寄せられた意見

2021年9月に視聴者から寄せられた意見

特定政党を中傷するような情報番組コメンテーターの発言、患者が自身の判断で医師処方の薬の使用を中止した危険なケースを肯定的に取り上げた特集などへの意見が多かった。

2021年9月にBPOに寄せられた意見は2,586件で、先月と比較して656件増加した。
9月は東京都が緊急事態宣言下にあり、電話による意見の受け付けを中止した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性38%、女性28%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送事業者を特定したものは、当該事業者のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は1,343件【48事業者】であった。
このほか、放送事業者を特定しない放送全般への意見の中から23件を抜粋し、全会員事業者に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

特定政党を中傷するような情報番組コメンテーターの発言、医師が処方した薬の使用を、患者が自身の判断で中止した危険なエピソードを肯定的に取り上げた番組などへの意見が多かった。自民党総裁選や眞子さま結婚関連の報道にも意見が集まった。また、BPO会員事業者の放送番組ではないが、会員事業者が出資するネットテレビの特定の番組について多くの意見が寄せられたケースがあった。
BPO青少年委員会が「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」を審議対象としたことに対しても引き続き多くの意見が寄せられた。
ラジオに関する意見は68件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は108件で、前月から15件減少した。
今月は「暴力・殺人・残虐シーン」が24件、「いじめ・虐待」が9件、「性的表現」が9件、「動物」が8件、「差別・偏見」が7件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 情報番組コメンテーターが、共産党に関する自身の誤った発言について「私の認識は閣議決定された政府見解に基づいたものだった」と釈明した。閣議決定が事実だとしても、閣議決定自体に時の権力者にとって都合良く扱われやすいという側面がある。閣議決定だからと政府の見解を無批判に述べるようではジャーナリズムが死んだと批判されるのも無理はないと思う。視聴者の多い昼のワイドショーでもあり、制作陣に一層のジャーナリズムが求められてしかるべき。番組がこのような謝罪を容認したことがとても残念。

  • 「共産党は暴力的な…」発言について「政府見解に基づいたもの」との釈明。衆議院選挙が迫る中、公には問題とされていない、党の負の側面を伝えたことで野党共闘にどれだけダメージを与えたか。放送法「政治的に公平であること」に抵触していないか。

  • 小室さんと眞子さまの結婚についてテレビが祝福ムードに持っていこうとしているが、さまざまな疑惑について本人に問いただすのもマスコミの役割で、国民の知る権利の対象だと思う。祝福ムードは控えてほしい。

  • 小室さんと眞子さまは帰国後に記者会見を開くそうなので国民の「知る権利」を振りかざしてさらし者にする必要性は存在しない。小室さんは道を歩いただけでその様子を一方的に切り取られて放送され、「髪が長い」、「態度が悪い」などの批判にさらされてしまった。一連の放送は極めて悪質だと思う。

  • 自民党総裁選の候補者は党内のことに限らず今後の日本についても語り、テレビもそれが当然であるかのごとく放送している。他の党はテレビで取り上げられることもない。自民党だけ衆院選の選挙運動をテレビを使ってやっているようで不公平だと感じる。

  • コロナ感染症から復帰したタレントが情報番組で「もっと早く菅首相には辞めていただきたかった」、「生死の境をさまよった人間として言わせてもらう」、「(亡くなった人たちが)この政治のおかげで命を失っていることを絶対に忘れないでほしい」。この発言は公共の電波で発信されるべきものを逸脱している印象を受けた。「政府のコロナ対策がもっと厳しくてもよかった」という意見はあったとしても、自身のコロナ感染を政権批判の材料にするのは公平性に欠けると思う。

  • 「運転中にあおられた」という視聴者投稿動画によるニュース。あおられる前に投稿者側が迷惑運転をしていたことが分かる動画が広がり、ニュースはウェブサイトから削除された。迷惑運転の部分をカットして、あたかもあおり運転をした側が一方的に悪いかのように編集し放送する事は正しいことなのか。一部のみを切り取る加工はねつ造ではないのか。

  • 情報番組で「鼻出しマスク市議」を取り上げていたが、出演者が誰一人マスクを着用していないテレビ局が、どの面下げて他人のマスクのつけ方を批判できるのか。

【番組全般・その他】

  • 番組は、現在ステロイドを使用している人たち(私も含めて)にすさまじい不安や恐怖を抱かせた。番組の公式サイトを見にいくと「患者が自らの判断で薬の使用を中止すると症状が悪化することがあります。治療については、医師の指導に従ってください」。そういう大事なことは番組内など、より多くの人の目に触れるように発信していくべきではないのか。(9月10日の投稿)

  • ステロイドの件について番組内でしっかりと時間を取り、しっかり説明と謝罪をしていた。問題に真摯に向き合っていると感じた。この先も長く愛される番組であることを期待する。(9月15日の投稿)

  • 「かわいい男子大好きな男性芸人」企画の「自分が女子だったら付き合いたい男芸人ランキング」が画期的でとても良かった。自分のセクシャリティと重なる部分もあり、とても面白く見ることができた。今後もこのようなスタンスの番組が増えればいいなと思っている。

  • 「かわいい男子大好きな男性芸人」企画で出演者が「(自分の好きな男子を)恋愛対象として見てはいない」と強調。本人にネガティブな意図はないとは思うが、まるで「同性愛はおかしい」というような言い方だ。こうした発言はこの社会をさらに生きにくくしているだけだ。自分のちょっとした発言にも社会的影響力があるということを、出演者、そして制作者の間でもっと意識していく必要があると思う。

  • 私には小学生の時にいじめられていた時期があった。そんな辛い時期に少しだけ救われる思いになれたのが、おそらくBPOが審議しようとしている「バラエティー番組」だった。規制は視聴者の救いを奪う事にもなりかねないということを心に留めて審議してもらえれば幸いだ。

  • 子どもが旺盛な食欲で毎食、通常よりかなり多い量の食事をとる様子を楽しく紹介していたが、非常に危険。幼少期から必要以上のカロリー、塩分を摂取していると推測される。「子どもはいくら食べても大丈夫」というのは幻想であり、小児糖尿病患者もいることを忘れてはならない。このような放送は一種の暴走を引き起こしかねず医師として看過できない。

  • 大食いさせられたり激辛料理を食べさせられたりしているのを見ると悲しい気持ちになる。なんで悲しくなる企画をテレビで見せられなくてはいけないのか。テレビは皆がハッピーになる番組を流してほしい。

  • テレビで旅行やレストランなどの情報を放送している。放送の自由はわかるが、国民が死んでいるのは事実だ。1人でもコロナ感染を減らすために番組内容を考えるべき。私たちが店を閉めてコロナ感染を減らそうとしている中、テレビ局は感染者を増やしているとしか思えない。お店や観光地の紹介は今は控えて、映画やドラマなど家に居られる番組を放送してほしい。

  • タレントがスタジオに集まって酒を飲みながらトークする番組。みんなが感染対策をしたり飲み会を自粛したりしている中で、あのような番組を普通に流すのはどうかと思った。

  • 「何か」をするとカウンターが作動する住居のセット内で、解答者がその「何か」を見つけ、制限時間内にカウンターを100にすれば勝ち抜けという問題の正解が「金魚の入った水槽を左→右→左→右…と往復移動させ続けること」。命をないがしろにしなくても済む番組作りはできないものか。生き物の命をおもちゃにすることを禁止するガイドラインは作れないのか。

  • ペットのウサギに風船を与えて遊ばせ、それが割れて慌てふためく様子に「ぜんまい仕掛けのおもちゃ」などの字幕をつけてオモシロ動画として放送。たいへん危険な行為でウサギは音のストレスに弱く死に至る場合もある。「いいね!」欲しさに過激な動画をアップする飼い主が後を絶たない。このような動画を放送すれば、テレビに取り上げてもらおうとまねをする人間が必ず出る。

  • ドラマ番組名の一部が「白杖ガール」。啓蒙したいのかもしれないが不愉快なネーミング。原作コミックの題名ではあるが、コミックはお金を払い手に入れるもの、テレビドラマは公に発信するもの。「白杖」は障害があるゆえにそれがなくては生活がままならない、体の一部。それに「ガール」と付け加えれば、暗くなりがちな障害者の話もポップになる、とでも考えているのだろうか。普通「あなた義足ガールですよね」、「あなたのお子さん、アスペルガーキッズなんですね」などと口にするだろうか?

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 劇場版「映画」PG12指定のアニメが19時から放送されたが、首が生々しい効果音と飛沫の描写付きで飛ぶなど刺激の強い残虐なシーンがあるのに、事前の注意喚起もなく放送したことに怒りを覚える。民放連・放送基準の第18条にも抵触しているのでは。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • アニメ作品で、人の容姿について憎らしいから暴行を働くような内容をやっていたが、これはいじめを助長しているのではないか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 女子高生の下着姿や全裸で入浴する描写のあるアニメ作品は、児童を性的に表現していると思う。

【「動物」に関する意見】

  • クイズ番組で、生きている金魚の入った水槽を揺らし続けて課題を解決する問いがあった。多くの生徒も見ている番組で、生き物にストレスを与えるような行為と、金魚に対してひどく可哀想と思える行為を高校生にさせて、放送したことに、とても心を痛めた。生き物は番組の道具ではないと思う。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 「スイカ割り」企画が事前予告され、放送された。あまり目くじらを立てることではないかもしれないが、「スイカ割り」は、健常者が目の不自由な状況をわざわざ作ってはやしたて、「成功」、「失敗」を笑う遊びだ。もしも自分や我が子、身内に目の不自由な方がおられたらどんな気持ちになるだろうか。今日はパラリンピックの最終日。全盲のマラソンランナー道下さんが金メダルを獲得し、とても感動した。毎度だが、少しくらい想像力を働かせることはできなかったのか。パラリンピックの日本開催の期間にわざわざやることについて、大勢のスタッフの誰も何も思わなかったとすれば疑問だ。