視聴者からのご意見

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見、取り上げ方への要望が多く寄せられた。

2020年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,908件で、先月と比較して174件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール82%、電話16%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性52%、女性26%で、世代別では40歳代28%、50歳代22%、30歳代20%、20歳代15%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は延べ1,168件【58局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は75件、CMについては40件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は90件で、前月から7件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が15件、「低俗、モラル」が9件、「危険行為」と「いじめ・虐待」がそれぞれ7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道について。連日、感染者の数をセンセーショナルに流すだけで、国民の不安と恐怖をあおっている。死亡者数、入院者数、重症者数、回復退院数、実際の陽性者数などには触れず、報道機関の役割を放棄している。パニックを誘発し、経済を萎縮させて破壊し、自殺者を増やし、暗い話題をそんなに増やしたいのかと恐怖を感じる。報道姿勢に一定の規制が必要ではないか。

  • 新型コロナの報道について、偏った意見ばかりで視聴者の不安をあおっている。私は飲食業だが、テレビの影響で客足が遠のき、死活問題になっている。不安要素の報道も必要だろうが、経済面も考えて多角的な報道をしてほしい。このままでは、閉店せざるを得ない店も数多く出てしまい、自殺者も増えるばかりだ。

  • 正直、連日の新型コロナ関連番組は飽き飽きしていて、気分が沈む。特段、新情報があるわけではなく、感染者が発表されるたびに速報まで打って、うんざりする。今後、コロナについては、特別な演出をせずに粛々と報道してもらいたい。一方、もっと取り上げるものがある。モーリシャスの油流失事故、中国の食品ロスに関する日本の状況、コロナ禍の中で起きた児童虐待など、細かい事案であっても、しっかりと取り上げたほうがいい。

【番組全般・その他】

  • 京都・渡月橋での暑さのリポートはあまりにもひど過ぎる。40℃を超える気温の中、ディレクターが明らかに熱中症のような様子で必死に中継リポートしていた。帽子も日傘もささず、さらにはマスクもしながら、熱中症リスクの高い格好だった。この際、スタジオで受けていたMCは、支離滅裂なことを言い始め、体調の悪そうなディレクターに、終始あざけるような態度で応対し、ディレクターがスタジオに返そうとしても、無理やり放送を続行するように伝えていた。ディレクターをリポートに行かせた局の判断は間違っている。残酷ショーを見たいのではない。情報番組なら、正しい情報を適切な方法で伝えるべきであり、今回の放送は、不適切どころか、非人道的ですらあった。

  • 新型コロナ報道について。最近では、「インフルエンザより軽い」という方向性を作ろうとしている。番組に出演している医者やコメンテーターが、「コロナは大したことない」という持論を展開していることが多く、「コロナは危険」という持論の人たちはテレビに出てこなくなった。インフルエンザと違い、ワクチン無し、特効薬無し、ウイルスの実体もはっきり分からないという点に触れず、希望的観測が述べられている。東日本大震災のメルトダウンの時と同じで、政府の方針に沿わない報道が少なくなっていくように感じる。

  • ワイドショーのあり方について、新型コロナを通じて知ることになった。国難とも言えるこの状況に対して、ショーとして報道するやり方、より扇情的に問題を取り上げ、ネットで情報を拾い、街頭インタビューの類型的なコメント。「後手、後手…」と政府批判。まともに政策の説明やコロナ対策の啓蒙や休業補償の話をせず、興味のある内容だけを取り上げ、それを切り取って放送。テレビ局の世論操作が一方的だ。日本人のモラルを高めようとするテレビ局はないのか。感染を防いで行こうとなぜ訴えないのか。無知なコメンテーターもやめさせてほしい。それだけでも誤った考えが減ると思う。

  • バラエティー番組のやらせに、厳しくなり過ぎてはいないか。普通のことを普通にするだけでは、当然ながら面白くならない。やらせなしのリアリティーと面白さを追求すれば、危険な企画が増える。一方で、ワイドショーや報道の意図的編集は気になる。専門家や政治家の言葉を切り取って、全く逆の意味になるよう編集された報道が散見される。楽しませることよりも、情報を伝えることに重きを置くべき番組は、発言者や情報源の意図通りにしっかりと報道する責務があるのではないか。いろいろな意見を報じるのは大切だが、本人が言っていないことを、あたかも言ったように報道するのは捏造だ。独自の情報や独自見解を発表するのはいいが、発言者の意図が歪曲されて伝わるように編集するのは、事実を捻じ曲げる意図があり、悪意に満ちている。面白くするためのやらせよりもよほど問題があると思う。

  • 勤務している会社のリスク管理部門から、「職員一人ひとりのコロナ対応」なる文書が社内にて掲示された。そこには体調管理、職場での感染防止、職場以外での生活、感染症が疑われる職員発生時の対応などが分かりやすく示されていた。そして最後に追記として、「世間の報道などに惑わされたり、一喜一憂せず、人に感染させない行動を率先垂範する事が重要」と加えられていた。最近、報道に対して、疑問や疑念、不満を感じ、またそう感じざるを得ない不祥事も起きているだけに、とても印象に残っている。そして強く感じたのは、こういった文書が出回ること自体、報道の信頼、信用、権威、地位といったものが著しく低下しているのではないかということだ。

  • 仲間と飲み会をする、趣味のサークルでカラオケをする、合唱をする、海でサーフィンをする、旅行に行く、コンサートに行く、親戚に会う。これらは感染者がいない場所なら何の問題もない活動、不要不急かもしれないが、人生を楽しむ、豊かにする活動だ。私たちは生命を維持することだけを目的に生きているわけではない。そして、これらの不要不急と思われることを生業としている人々にとって、仕事がなくなることは生命がなくなることにも等しい。新型コロナ報道の際に、これらの活動がまるで悪であるようなイメージを植え付けないでほしい。一度イメージが落ちてしまうと回復するのには相当なエネルギーが必要になる。人類の敵はコロナであり、人とのコミュニケーションが悪いわけではない。これ以上イメージを悪くしないでほしい。もう十分に周知されている。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • プロ野球中継を見たら大勢の解説者が次の打者の打撃予想をするクイズ形式だった。解説がほとんどなく、ヒットなら何ポイント、フォアボールなら何ポイントと獲得ポイントを競うもので、子どもや視聴者に賭博のやり方を教えるようなものだ。スポーツ中継でこのようなやり方は野球ファンとしては納得できない。

  • ボートレースのPR、実況中継、開催日程などが紹介される番組が夜の8時台に放送されている。誰に見てもらうために放送しているのか。児童、生徒、未成年への影響は考慮していなくていいのか。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 8月は原爆投下日、終戦記念日があるが、年々戦争に関連した番組が減っているように感じる。戦争を体験した人が減っている今、そういう人たちを取材して戦争体験を映像や音声で残してほしい。戦争に関する番組やドラマを放送し、青少年に戦争の悲惨さ、残酷さを伝えていってほしい。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組でお笑い芸人に生のパイナップルを皮ごと食べさせていた。汗だくで涙ぐみながら食べて、後で嘔吐していた。全く笑えない映像で食道や内臓を傷つけるのではないかと心配になった。子どもが真似をしたり、いじめの手段に使われたらどうするのか。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 最近目立つのが番組内での飲酒行為だ。出演者が赤い顔で酒を飲みながら番組を進めている。芸人の食レポにおいても酒を要求する場面がある。青少年への影響をどう考えているのか。