放送倫理・番組向上機構[BPO]


  ■放送
   番組委員会■

放送番組委員会は
2007年5月11日をもって
解散し、新たに
放送倫理検証委員会
設立しました。

 

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■ 番組委員会議事のあらまし

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●2003年7月 (第4回)

「放送界における第三者機関のあり方を考える」
ゲスト:朝日新聞社常勤顧問 中馬 清福 氏

 7月4日に開いた放送番組委員会(有識者委員のみの小委員会として開催)は、“放送界における第三者機関のあり方を考える”をテーマに、ゲストとして、日本新聞協会「新聞倫理綱領」の策定や朝日新聞「報道と人権委員会」の発足に携わった中馬清福さん(朝日新聞社常勤顧問)を招いて、講演を聞いた後、意見交換しました。

 講演で中馬さんはまず、BPOの発足を「放送関係者の意識改革につながることを期待したい」と歓迎する一方で、「放送界には、一歩間違うと表現の自由を制約しかねない放送法があるが故に、結束して第三者機関を作る重要性がある」と指摘。その上で、放送界の第三者機関には、権力側および放送局側への目配りが必要であると同時に、多様で膨大な視聴者が存在することを忘れてはならない、と述べました。

 さらに、「これまでの報道による人権侵害により、市民はメディアよりも権力に味方するようになってきたと同時に、表現の自由は絶対であるという通説が崩れてきている」と述べ、これは新聞と放送に共通する危機であるとの認識を示しました。加えて、放送の場合、報道と娯楽の境界線が曖昧であり、エンターテインメント番組と称して責任逃れをすることが新たな問題を生んでいる、とも指摘しました。

 こうした状況の中で“新機構に人々が期待する機能”として①「駆け込み寺」、②苦情を適正に処理し、妥当でないときは放送事業者に是正させる「お白州」、③苦情が来なくても自らおかしいと思ったときは放送界を叱り、場合によっては権力による放送への不当な圧力に対し何らかの意思表示をする「警告者」、④市民と放送、あるいは現在と未来をつなぐ「つなぎ役」、の4点を挙げ、「法的正当性を持たないBPOは、それに代わる権威を確立するとともに、より開かれた機構を目指して市民レベルにまでその存在を周知徹底してほしい」と述べました。また、「BRCの見解・勧告、放送番組委員会の見解・提言の強制度を高める必要がある」とするとともに、番組委員会については、「従来以上に活動範囲を拡大し、例えばイラク戦争報道などでは、英国の『BBC戦争報道指針』のようなものを番組委員会で作成し、各社に提示してほしい」と提言。さらに、現在の委員構成(有識者6人、放送事業者8人)についても、「見解や提言を出す際の公正さ等の観点からも、必要に応じて放送事業者の出席を求めるなど、委員構成の再検討も必要では」との考えを示しました。

 講演後の意見交換では、番組委員会のあり方について委員から「第三者機関ではなく、自主規制機関と捉えるべき。委員会の意見に重みを持たせるためにも、放送事業者委員が参加していることは重要」「個々の委員が第三者的なスタンスを持って放送事業者と対峙することにより、内側から放送を改善していきたい」「放送事業者委員からも個人の気持ちを引き出し、時代の変革期の中で、ともにいい番組を作っていきたい」などの意見が出ました。また、「番組委員会で視聴者の声を反映した討議を行い局サイドに渡す、という役割は持ちたい」「BPOが市民社会に開かれている、という仕組みの提示が必要」との考えも示されました。

 最後に木村委員長が、「当面は一つひとつの問題を討議していき、その中から共通の規範を見つけていきたい」と述べ、委員会を終えました。

以上