◆ 番組全般
放送番組全般(人権、青少年を含む)への2006年4月の意見の主な内容のうち、特に「不適切な表現や発言、モラルの低下、不愉快、下品な番組」などに関する意見は全体で456件と、前月(328件)以上に多い。
これらの意見では「不適切な内容(表現・発言など)」(267件)、「モラルの低下、倫理観欠如」(89件)「低俗・下品、不愉快な番組」(100件)などの意見や批判となっている。
次いで「取材・報道のあり方」に関する意見が175件で、先月から急増している。
一方、個別の番組・テーマ別では、“タレント同士の結婚”(フィクション)を「緊急特番」として紹介した番組についての非難・抗議(49件)、アダルトゲーム・コミックを性犯罪と結びつけた報道番組と情報番組への抗議(45件)をはじめ、耐震強度偽装事件関係者逮捕報道関連(26件)、ワイドショー番組やそのコメンテーター批判(24件)、女性占い師の発言への批判(19件)、韓国・竹島関連報道(18件)、大家族に密着した番組への指摘・苦情(13件)などの意見が目立った。
「放送局の対応」についての苦情・抗議は64件と前々月、前月に比べ増加傾向にある。
また、『放送の公共性(51件)や、『(放送の)公正・公平・中立』(37件)についての意見も多く寄せられた。(*このうち政治問題への意見は15件)
「CM関係」では業務停止処分を受けた消費者金融の報道を機に消費者金融・生保などのCMに対する批判や、番組中のCM回数やタイミング、音量などへの苦情に対する批判が55件(そのうち「消費者金融関係」への意見は30件)寄せられた。
なお、人権等権利に関する委員会への相談・意見(21件)とは別に、番組・青少年各委員会に寄せられた意見の中で「人権問題や差別にあたるのではないか」との提起や懸念等は128件と前月(82件)から増加している。
◆概要
<特記事項>
-
【警察庁で“アニメ、ゲーム、インターネットにあふれる性・暴力情報を規制する検討会”が開かれた】というニュースで、近年起きている児童への犯罪の原因がまるでアダルトゲームにあるかの様な誘導的な報道がされていた。取材のプロであってもメディア研究の見識も持ち合わせていない素人の人間が、ゲームの影響で犯罪を誘発するのが事実であるかのように軽々しく断定してしまう姿勢に疑問を感じた。
-
芸人とアイドルの結婚ドキュメンタリー。しかし実際は全部作り話。番組の最後に涙を流した芸人に『こんな茶番で何泣いてるんだ』というスタッフの一言と、一瞬だけ小さく出た『フィクションです』のテロップで終了させたこの番組に、激しい怒りを感じる。どれだけ多くの人が騙されたか。最後のスタッフの一言は、芸人だけでなく視聴者を馬鹿にしたのと同じだ。局に問い合わせたところ、『始めにフィクションと言うと面白味に欠ける』の一言。明確な趣旨も謝罪も聞かされず、さらに腹が立った。その番組の作家のブログを見ても、『自信作だ。感想ください』のみ。放送終了後も謝罪はなく心底呆れた。番組を信じた視聴者からすれば、あれは不快でしかなく、“面白味”や“自信作”などとよく言ったものだ。テレビを作るなら、もっと違う形で“面白味”を求めてほしい。
<取材・報道のあり方>
<不適切・低俗な表現や発言、モラルの低下、局の対応>
*他にも『この番組の出演者が、実際に“ニート”であったか疑問だ。ニート歴半年という自称ニートの、怠惰なイメージを与える言葉しか喋らない出演者。それをテレビではおもしろおかしく紹介していたが、これはニートの立場にいることを悩んでいる人に対して、また、ニート問題に真剣に取り組んでいる方々に対して大変失礼で、社会に誤解を与えかねない番組だ』などの意見あり。
<その他、番組全般>
<CM>
|