BPO_20周年記念誌
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086起こしても「それはフェイクだ」と一言言えばそれが事実となってしまうスゴイ時代なのだ。客観は世界中の人口の数だけある。今隣にいる人が、何を事実だと思っているかが全くわからない。高度な情報化社会とは、そんな混沌とした広大なジャングルで生きる野生動物みたいな社会のことだったのだ。そんな時代に本当に信頼できる情報は何なのかと考えた時、それは個人なんじゃないか、さらに言えば個人の愛なんじゃないかと私は思うようになったのです。誰かが何かを本気で好きになるって本当にすごいことだし、その愛は本気になればちゃんと人に伝えることができる。だから何だって言われるかもしれないが、この何もかも不確かな時代にそれって本当にすごいことなんじゃないか、そうか私もこんなふうに愛するものを大切にして、その愛によって人と繋がっていくしかないんじゃないかと、私はラジオを聴きながら静かな希望に胸を膨らませている今日この頃なのであります。

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