BPO_20周年記念誌
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083BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージ行きつけにできる感じの良い店を見つけるにはどうしたらいいか……それはどれも、私が生きていくには必須で、しかしどこを探しても載っていない、自分の目で見て、自分の頭で考えて、自分の心で感じなければ見つけられない情報であった。そして、その情報を試行錯誤しながら自分で見つけ出していくことが、やってみればめちゃくちゃ面白くなってしまったのだ。遠くで起きている大きな不正やゴシップに怒ったり騒いだりしている時間があれば、マンションのゴミボックスの横に空き缶を放置する人にどうしたら改心してもらえるかを考えたいのである。無論、世界と私は繋がっていて、大きなニュースが課題解決のヒントになることもある。でもそれはあくまで、まず自分が何をどうしたいか、具体的にどう生きていきたいのかということがあってこそである。 ってことで、このラジオと新聞というレトロなセットで十分なのだ。で、話は再び私の大好きなNHK−FMに戻る。一体なぜこんな「変」すぎる世界が、この世知辛い世の中で今もなお存在しているのだろうか。ここから先は私の想像だが、ラジオって放送局においては圧倒的に「スモールビジネス」なのだと思う。テレビに比べれば制作費も桁違いに安価でスポンサー料も高くないとなれば、大型漁船で大量の魚をごっそり採らなきゃ帰ってこられない、つまりは制作費をかけ番組を大成功させて大きな儲けを生み出さなきゃならんというプレッシャーもないわけで、多少「変」でも作りたい人が作りたいものを自由にのびのび作れる、いい意味でのスキマだらけの世界なんじゃないだろうか。

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