BPO_20周年記念誌
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063BPOの20年 そして放送のこれから放送倫理検証委員会放送倫理検証委員会で議論となるきっかけの一つが、BPOに日々寄せられる視聴者・聴取者意見だ。放送倫理違反の疑いがありそうな番組は、放送番組のDVDと報告書を当該放送局から提出してもらい、審議入りするかどうかを真剣に議論している。今回このコラムでは、委員会で取り上げられることはないが、意見としては結構な頻度で寄せられるものから、個人的に同感する内容のものをいくつかピックアップしてみた。まず、放送中の画面の隅に出てくる「ワイプ」について。必ずしも必要じゃないワイプは気が散るのでホントに邪魔。ひどい番組だと、スタジオ出演者がVTRを見ながらブツブツ話している声が雑音のように聞こえて、正直言ってうるさいだけ。それと観客なんて居ないはずなのに、笑い声や感嘆の声などを効果音として付けちゃっているのがバレバレの番組。どなたのセンスか知りませんが、そこでその反応はないでしょ!マジ、シラケる。時代と共に世の中は変わってきている。昔の昭和の時代のテレビでは、女性の裸が登場するシーンもたまにはあった。しかし今では、男性も子どももテレビでの裸体はNGでしょ。風呂場やサウナからの映像は余程の必然性が無い限り決まってご意見が来る。男性の裸体も、夏の海水浴場か格闘技系のスポーツ以外は放送禁止の時代なんじゃないかなぁ…最後にいわゆる「CMまたぎ」の手法について。当初は斬新だった気もするが、最近は盛り上がったところで水を差された感じになり、CMが邪魔者扱いされてスポンサーにも悪影響ではなかろうか。そんな時わが家では、続きはもう見なくていいやと、CMの無いNHKにチャンネルを変えてしまうことも。これらはあくまでも私見だが、BPOへ寄せられるご意見に散見されるのは事実である。面白くてタメになり、ストレスを感じずに安心して観られる番組を制作することこそが、人気獲得の秘訣ではないだろうか。(統括調査役 田中 英行)嫌われるワイプと裸とCMまたぎ

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