BPO_20周年記念誌
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056フェアネス・ドクトリン導入の背景日本の放送法の第一条にある「放送の不偏不党」をより具体化した第四条には「政治的公平」「対立している問題は多角的論点を」などの番組編集準則がある。米国でもかつて同様の理念を掲げた「フェアネス・ドクトリン(Fairness Doctrine 公正原則、以下FD)が存在したが、すでに廃止されて久しい。本稿ではその導入から廃止に至る背景や廃止の影響、そして日本への含意について私見を述べたい。フェアネス・ドクトリン廃止と米国社会の分断慶應義塾大学環境情報学部教授渡辺 靖(わたなべ やすし)1967年生まれ。ハーバード大学よりPh.D.(社会人類学)取得。ハーバード大学国際問題研究所アソシエート、ケンブリッジ大学フェロー、ウィルソンセンター・フェロー(ジャパンスカラー)、パリ政治学院客員教授、欧州大学院大学客員研究員、北京大学訪問学者、NHK国際放送番組審議会委員長などを歴任。専門は現代米国論、パブリックディプロマシー論。

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