BPO_20周年記念誌
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038の話をしたことがあった。僕らのことをお目付け役だと思っているから、うやうやしく迎え入れてくれた。そこで最初に言われたのは、政治的な案件を扱うときには、スタジオで反対の人と賛成の人の両方をよんで、まあつまりは与党と野党と秒数同じにしているんですみたいなこと。これをちゃんとやってますよ、と言われたんです。「いや、それ逆なんです」って。「量的公平と質的公平とじゃ意味が違うんですよ」というところから話をした。終わったあとに、委員たちの間でこれはまずいなっていう話になって、論評の自由はあるんだっていう選挙報道についての意見書を書くきっかけになった。それが現場に浸透してはいないと思うんです。たぶん依然として、秒数を同じにするっていう発想で留まっています。そこで思考停止しちゃうんですよ。こうしとけばいい、叩たたかれない、公平とはそういうことだ、っていうふうに、どこかで思ってしまっているのをどう突き崩すかっていう役割が必要だと思う。BPOがもっともっと声を届けるべきだと思う。やっぱり、それをどこかで同じにしておけばいいんだよねっていう逃げ道を作っちゃってる。放送局と政治で、非常にレベルの低いところで落としどころを見つけちゃってるところが問題だと思う。そこはやっぱりまずいと思う。それについてジャーナリズムが一枚岩になれてないところは、すごく弱いところだと思う。残らない潔さ 出会ってしまった衝撃事務局 ネットのことは意識されますか。是枝 ネット配信には、いろんな関わり方があるんですけど。これは難しいです。僕は放送が好き

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