BPO_20周年記念誌
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037BPOの20年 そして放送のこれからスペシャルインタビューい自分で考えろ、外から『倫理』とか語られるのはめんどくせえなって」って思っていた。BPOへの誤解是枝 なぜ、倫理、倫理というのか。非常に高尚なというか、観念的というか、抽象的というか。今は、だからこそ面白い、と思っているんですけどね。事務局 難しいですよね。是枝 難しいですよ、だから面白いなと思ったんです。倫理って何だっていうことを考えるのはすごく面白かったんですけど、それは自分で考えることであって、何でそんな、よくわかんない第三者機関が放送における倫理について決めるんだ、っていうのには反発を持っていた。やりたいことができなくなるんじゃないかと思っていたんですが、そう思っている人たちにとってBPOは、本当に面倒くさい組織でしかない。『若きテレビ制作者への手紙』はそういうことに対して書かれていると思うんです。面白く、ものを作っていいのだ、私たちはその面白さを否定はしないのだっていう手紙だと思います。やっぱりそこはBPOが誤解されているところだと思うんです。これは、やっちゃいけない、これはやるなっていう団体じゃないっていうことを、もう少し徹底して言うべきだと思う。事務局 今も誤解されていますよね。是枝 BPOは警察ではないし、放送法は「放送局取締法」ではないっていうことを、もう少し一般的に知ってもらうことが必要だと思います。事務局 われわれが努力することもありますね。是枝 はい。そう思います。委員として地方に意見交換会に行ったとき、その地方全域の放送局の人が集まってくれて、報道

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