BPO_20周年記念誌
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034す」っていう言い方と「両論併記にしないといけないんですよ」っていう言い方。そこから先は誰も考えないんですよ。放送法は権力が介入しないための盾なのに、逆に権力に使われちゃっているんです。そのことを、きちんと学んだのはBPOの放送倫理検証委員会に入ってからで、すごく明解に理解できました。僕にとっては学びの場で、いい場所でした。ただ9年というのは、長く居すぎました。*3 放送法第一条 この法律は、次に掲げる原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。一 放送が国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。二 放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保すること。三 放送に携わる者の職責を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発達に資するようにすること。*4 放送法第四条 放送事業者は、国内放送及び内外放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。一 公安及び善良な風俗を害しないこと。二 政治的に公平であること。三 報道は事実をまげないですること。四 意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。BPOの委員だったころ事務局 月1回、必ず会議に出なくちゃいけないっていうのはどうでしたか。是枝 月1回、出るのは慣れるんですけど、その前に、いろいろ番組を見たり、資料を読んだりしなくちゃいけないのが大変だった。そこで取り上げられる案件のレベルが9年の間にどんどん下がっていったから。立花隆さんが「僕の残り少ない人生の時間を、こんなものを観るために費やしたくない」ってすごく怒っていた。そのとおりだなと思った。重松清さんと僕、ほぼ同期で入ったのですが、

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