BPO_20周年記念誌
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033BPOの20年 そして放送のこれからスペシャルインタビューと思います。事務局 放送法のどの部分ですか。是枝 不偏不党っていうのは大きいです。みんな誤解しています。不偏不党は中立とか、両論併記だと思っている。でも放送法一条(*3)に書かれていることは違います。あれは、権力は介入するなという話で、権力と結託するなって話です。そのことを理解していないで放送法四条だけが語られる。立法趣旨を踏まえないで四条(*4)を語ろうとするから、賛成反対の秒数を同じにとか、両論併記とかになる。それでは番組内容の編集に政治が介入していることになるじゃないですか。どう考えても四条をああいうふうに解釈したら、一条とバッティングしちゃうんです。そのことを、ちゃんと問わないといけないって僕は言い続けているんですけど、なかなか届かない。みんな、あの四条のディテールの話ばっかりする。わざとやっているのか、本当に分かってないのか、よく分かんないんですけど。「免許事業」という言葉もずいぶん間違った使われた方をしていると思う。免許事業だからこそ内容に介入しないっていうことだと思うんです。免許取り消すぞっていう脅しで内容に介入することを避けるための法律だと思います。放送法一条にすべてが込められていると思います。ただ僕も『憲法』っていう番組をやるまでは、曖昧にしか理解できていなかった。フジテレビで番組作ったときに、両論併記にしろっていう意見が局から出た。それに対抗するために、どういうふうに放送法というのを読み込むべきかを勉強した。すると、何だ、全然言われてきたことと違うじゃんって分かった。放送局とぶつかると、大体言われるのが「免許事業」なんです。「言いたいことは言えないんで

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