BPO_20周年記念誌
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031BPOの20年 そして放送のこれからスペシャルインタビュー是枝 もらえませんね。映画の企画通すよりも大変ですね。事務局 テレビでは?是枝 ええ。無理です、無理です。事務局 是枝さんをもってしてもダメですか。是枝 ここで言う話じゃないかもしれませんけど(笑)。民放地上波の連ドラというのは監督で決まっているわけではないので。事務局 脚本ですか。是枝 プロデューサーと脚本と主演ですね。まずプロデューサーが脚本家を押さえ、事務所との関係の中で主演が決まる。さらに局によっては、この枠のこの時間は、何年おきにどこの事務所とやるっていうのが先々まで決まっています。それが決まった段階で内容が決まり、演出家は最後ですから。TBSの『日曜劇場』であれば、スターディレクターが最初からかんで動いていると思いますよ、福澤克雄さんとか。だけど多くの場合、僕みたいな外部の演出家がどうあがこうが、民放地上波の連ドラの企画を動かすのは相当ハードルが高い。一番高い壁なんですよ。同時に非常に固いんですよね。事務局 固い?是枝 うん。実験などということは、ほとんどできないんじゃないですか。テレビ東京ぐらいしか実験できない(笑)。だから、フジテレビとかがね、このままだとヤバイってなって、ちょっと冒険し始めているじゃないですか、ドラマも含めて。ああいう状況が悪いわけじゃないなっていう気がします。

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