BPO_20周年記念誌
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027BPOの20年 そして放送のこれからスペシャルインタビューつが大きな柱かな。事務局 そういう活動や発言(*2)を多くなさっておられますけど、少し説明していただいてもよろしいですか。是枝 ハラスメントが当たり前の時代にADをやっていたので、とにかく自分が上に立つようになったら、やめようと思っていたんですよ、こういうことは。事務局 どんなハラスメントを受けられましたか。是枝 あらゆるハラスメントを受けました(笑)。はけ口になるんですよね。何でそれが許されてるのか、よく分からなかったんですけど。当時からおかしいなって思っていたんですよ。なぜ、そういういろんな暴力が、一番立場の弱いアシスタントディレクターに向かうのかっていうのは引っかかっていた。自分の性格のせいだと考えるんですよ、最初は。でもそうではないことにだんだん気づく。ただのストレスの発散の対象なんだなとか。だからそれはよくないなと思っていたので、とにかく自分はするまいというところからのスタートなんです。それが自分の映画の現場に浸透するまで相当時間がかかった。その都度、それをどうやって抑えるかってことは考えてきましたが、チームとしてちゃんと徹底できたのはけっこうたってからです。事務局 監督になってすぐ「なくそうぜ」っていうふうには?是枝 自分がしないというのはもう初めから徹底していますけど、やはりスタッフの中に、そういう文化の中で育ってきたスタッフがいたりもしますから。その人たちを、ときには排除するとか、話し合うとか、ってことを重ねながら。

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