BPO_20周年記念誌
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017BPOの20年 そして放送のこれから巻頭対談わりませんでした。むしろ「面白い番組をつまらなくしているのはBPOだ」という声も寄せられてしまいました。濱田さんは、委員会がなぜそういう議論をし、判断しているかをもっと伝えるべきだと言われましたが、それは議論の前提となっている理念や哲学をしっかり伝えることに他ならないと思います。井上ひさしさんの言葉ですが、「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く」ということですね。それをモットーにBPOが何を大事にして委員会決定を出したのかをていねいに発信し続けることによって、委員会決定を子細に読んでもらえるようになることを願っています。 自主・自律 BPOのフィロソフィー大日向 先ほどもふれましたが、BPOの哲学、フィロソフィーを語る重要性について、濱田さんは10周年の時も20周年の時もおっしゃっておられますが、濱田さんが考えるBPOのフィロソフィーについて、ここで今一度お話していただけますか。濱田 フィロソフィーというと大げさですが、要するに、日本の社会において自分たちの問題は自分たちで片付ける、そして片付けることができるのが基本だ、という考え方に尽きます。世の中には、裁判所や政治・行政など公権力が出てこなければ解決できない難しいことも多々ありますが、放送界で放送の自由の行使にあたって起きることのほとんどは自分たちが引き起こしたことであり、基本的には自分たちの手で解決する

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