BPO_20周年記念誌
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016声もいただいておりますが、どのように強めたら良いとお考えですか。濱田 発信力を強めろという声がどういうところから出てくるか、あるいはどういう内容かによって違うと思います。発信力を強めて、BPOは規制機関だと誤解されるようでは困ります。発信力に課題があるとすれば、委員会がどのような根拠で判断をしているのか、その理由の部分に示されている目配りの広さと公正さをよりしっかり伝えていくことが大切ではないでしょうか。委員会決定はニュースになると、結論の部分だけしか報じられないということがよくあります。結論だけではなく、もっと理由部分も読んでくださいと、声を大にして言いたいところです。一方で理由部分をすべて読み込む余裕はなかなか無いでしょうから、BPOのホームページを使って、委員会決定の理由部分のポイントを分かりやすくタイトルを付けて伝えるなどの方法もよいかもしれません。大日向 委員会決定をしっかり読んでくださったら、BPOが放送現場を知らずに訳の分からないことを言っているということにはならないと思います。一方で、何ページにもわたる委員会決定を読んでいただけるかというと、これは無理ではないかとも思います。それを強く感じたのは、2022年4月に青少年委員会が公表した「痛みを伴うことを笑いの対象とするバラエティー」に関する見解でした。委員会は、痛みを伴う笑いのすべてが悪だというような単純なことを一方的に言っているわけではないのです。最新の脳科学的・心理学的見地から、バラエティー番組を視聴する青少年の共感性の発達や人間観に及ぼす影響を考慮する必要がある、ということを書いているのですが、正しく伝

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