BPO_20周年記念誌
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215BPOの20年 そして放送のこれから世界の眼差し報道部門に在籍、南アフリカとアメリカに駐在、その後も14年間会社の国際関係を担当、訪問国100カ国、UNESCOやABUアジア太平洋放送連合(70カ国250社加盟)など国際組織との活動も経験した。退職後はゴルフ三昧の日々ぐらいしか思い描いていなかったので、アルバイト採用を喜んで受けた。でも〝国際的な活動〟、と仕事の大枠は示されたものの具体的に何に取り組めばよいのか五里霧中だった。そこで、まずは国際交流の基本である〝仲間を作る〟ことを目指した。つまり我々が何者で何をする組織かを知ってもらい友達になろうと働きかけることだ。BPOを知ってもらうには、言うまでもなくインターネットが便利だ。それまでのウェブサイトでは一番下のEnglishという小さな文字がアイコンで、たどり着いても英語の説明文が出てくる程度だった。そこで海外からのアクセスに、便利で興味を引くようデザインと内容を拡充することにした。とくにBPOが何をしているのかわかるように、放送人権委員会と放送倫理検証委員会の委員会決定、青少年委員会の要望・提言・見解の一覧と内容の英訳を掲載する方針を決めた。ただ翻訳には費用もかかるので、ポイントが分かる概要や公表した要約などに止めることにした。過去3年遡さかのぼって整えるうちに新たな決定も加わり5年分の蓄積が出来上がった。こうしてBPOがどのような組織で、何をしているのかを知ってもらう材料が調った。次の課題はそれをどんな相手にどう届けるかだ。広がる仲間の輪放送番組を規制する機関は各国に存在するが、放送界自ら立ち上げた自主規制機関はあまりない。放送規制で世界的に認識される存在はイギリスのOfcom放送通信庁だろう。放送、通信、郵便に関する独立行政組織であり、表現の自由をより明確に担保するため政府ではなく議会のもとに置かれている。多くの国はこれを真似て、番組の規制は国が定める独立組織による形をとっている。またアメリカではFCC連邦通信委員会が放送・通信

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