BPO_20周年記念誌
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014で公共的な役割を果たそうとしている放送のチャレンジを後押しすることが、BPOの役割だと思います。大日向 お話を伺いながら、思い出したことがあります。昨日、見たNHKの『英雄たちの選択 竹久夢二の関東大震災〜100年前の震災スケッチ〜』という番組です。竹久夢二といえば美人画のイメージが強かったのですが、彼は震災の後ずっと焼け跡を回って、いろいろなスケッチをしていました。死に物狂いで生きようとする人間の必死さ、時にその醜さを描いているということを、放送が伝えてくれたのです。私の今までの竹久夢二のイメージが変わった瞬間でした。濱田さんが言われる知の幅を広げるということで、放送にはそういう役割があるということを実感いたしました。BPOの委員会と事務局との関係大日向 濱田さんが「民放online」のご寄稿の中で、抽象的に論じられている公的規制論や自主規制論に比べて、BPOははるかに重い実質的な証拠を積み重ねてきたと言ってくださっています。委員会決定で示した見解や意見などが何よりも実質的なエビデンスだと言ってくださっていて、BPOの委員会にとって励みとなるメッセージをいただけたと思います。そして、その委員会活動を支える事務局の力のすごさ、すばらしさを理事長になってから私は間近に見ております。BPOに来る前はそれぞれが放送界でさまざまな経験を積み、そして今、委員会活動を黒子になって支えてくれています。濱田 事務局はとてもよく頑張っていると思いま

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