BPO_20周年記念誌
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210うことは基本的にはないと思います。俺たちはやっぱりこれを伝えたいというところを考えたうえで、これでいきますとコンセンサスを取り、局に伝える。ダメだって言われてそこでぶつかることもありますが、基本は番組単位で考えていくということです。確かに、この方向には行かないようにしなさいということが全体論として下りてくるときもあります。番組としてそれをどう解釈するのか、下りてきたことを全部受け入れるのか、やっぱり自分たちはこうしたいっていうところを入れるのか、そこに制作者の判断が出てくると思います。テレビ局ってすごく不思議というか、一つの会社だけどバラエティーもあれば、ドラマもあれば、報道、情報番組、他の経営セクションもあって全然違うところに向き合っている部署が一つになっています。こっちは立つけど、こっちは立たなくなるという社内バランスというか、できることに温度差が出てくるのは多少なりともあると思います。ただ、そのなかでこれは絶対に伝えなきゃいけないんじゃないか、ということはそれぞれ番組の判断になってくるし、個別で考えていくしかない。本当に伝えたいなら、伝えるためにどういう手法があるのかを工夫していくことが一番大事だ、と思っています。西田 オワコン化するかという話でしたが、結局は視聴者の信頼だと思います。バラエティー、報道情報、ドラマ、目指していることや悩んでいることは日々違うと思いますが、放送というものに対する信頼は間違いなくありますから、それぞれがしっかり認識して、何ができるかということを自覚的に考えてやっていくこと。これに尽きます。

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