BPO_20周年記念誌
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208思います。佐野 ドラマは、海外市場に売れるものをきちんと作らなきゃいけないということは思っています。海外の事業者やスタジオの方と話しをすることがあるのですが、「日本のドラマは、入口はいいのに出口がよくない」と。日本にはたくさん物語があってドラマの入口の発想はいいけれど、最終的に映像になった時のクオリティーだったり、話のたたみ方だったり、すぐ一話完結にしてしまうことがよくない。制作費で言うと、韓国が1話あたり5倍から10倍。アメリカだと10倍から100倍です。そういうところと戦っていかなければいけない。であれば、アイディアをいかにきちんとしたクオリティーのものにできるかだと思うので、海外の事業者やスタジオと組んでやることも視野に入れて、日本にあるいろいろな物語やアイディアをいい形にしていくことを目指したいと思います。放送と動画配信(質問) 制作者の皆さんは動画配信事業をどう位置付けて考えていますか。放送番組への関心を高める入口としてなのか、今後収益の柱になると考えているのか、教えてください。久我 リアルタイム視聴をしてほしいということが大前提ですが、時間になってテレビの前に座って見る習慣はなくなってきているので、配信で気づいてほしいと思っています。まず興味を持つ機会をできるだけ増やしたいのが本音で、そこから実際にリアルタイム視聴につながっていくことが理想だと思います。テレビを見てもらう、気づいてもらうということに関して、配信は大事なツールになってくると思います。西田 「オワコン」とみるかどうかということは、

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