BPO_20周年記念誌
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207BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッション今後のキーワードではないかと思います。プラスになるようなことを奨励する。全国の番組を対象に「あの演出はよかったな」など、そういったものを集めてみんなで褒めていきましょうみたいなことをしていくと、制作者のひらめきにつながると思います。視聴者が信じてくれている、だからひらめく。AIやChatGPTがあるなかで、人間がこれから果たしていける脳みその役割は、ひらめきだと思います。ひらめきにつながるアクションをBPOと現場が一緒に手がけていければいいと思います。久我 テレビがオワコンになるとは全然思わないです。NetflixだとかSNSで選択肢は増えてテレビに費やす時間が減っているのは確かです。情報量に関してはネットのほうが多いですが、テレビはつけっぱなしにしていて、見ようと思わなくても見るっていう状態を作り出す唯一のツールだと思っています。だからこそ、テレビにはこういうニュースがあるよ、こんな考え方もあるよ、これ知ってほしいな、ということを集めてキュレーションして見せる、こういう意識がすごく大事だと思います。テレビはフラットじゃなきゃいけないって言われてきましたが、僕はもう少し偏ってもいいんじゃないかなと思います。制作者の意思が出てもいいんじゃないか。良し悪しは視聴者が判断してくれればいいし、こういう集め方の番組は嫌いだから見ないという選択肢があっていい。つけっぱなしにしていたら耳に入ってきた情報で、「あ、そんなのがあるんだ」という発見がある。ネットに見に行かなくても情報が入ってくるツールになっていくことが、大事だと思います。作る側の見せたいという意思を大切にしていければと

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