BPO_20周年記念誌
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206すが、インティマシー・コーディネーターに現場に入っていただきました。厳しい予算繰りのなかでしたが、とてもよかったです。今後もベッドシーンを撮るときには必ず入っていただこうと思います。インティマシー・コーディネーターは、スタッフを交えず役者さんと一対一で、演技でどこまでが大丈夫なのか、こういうことはされたくない、胸を見せるのはイヤ、背中を触られるのはイヤ、そこを細かく詰めてくれて演出プランに反映できる。さらに、肌にかける布の厚さであるとか、脱ぎ捨てた下着にカメラが寄るのかなど、そういうことまで気にしてくれるから現場でセクハラ的なことが起きる心配がないし、結果、演出チームや撮影スタッフなども気が楽になります。従来は、ここはベッドシーンだから男性スタッフは外に出ていけ、でも女性なら見ていてもいいのか? など、こういったことが慣習的に〝なあなあ〟で行われていたので、今回は勉強になりました。役者さんは、作品のために必要ならやりますという方がほとんどですから、そういう方の意欲、気持ちと同時に人権を守る。一方で、演出側は加害者にならずに済む。すごく大きいと思います。テレビコンテンツの未来像池上 本日のテーマは「オワコン化しないために」です。バラエティーやワイドショー、ドラマ、それぞれの部署で、まさにオワコン化しないためにこれから何をすべきなのかというところをお願いします。西田 バラエティーの制作者って褒められることが少ないんです。おもろいのは当たり前なのでなかなか褒められません。細やかなことを演出しているなっていうところを見つけて褒めることが、

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