BPO_20周年記念誌
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204ある大事典Ⅱ』で問題がありました。まさにBPO案件ですが、コンプライアンス研修会を頻繁にやっていて、そのときに一度講師として話をしたことがありました。あの時から会社をあげて取り組んでいたんですね。佐野 きちんと自己を批判して検証していかなければいけないという空気があったかもしれないです。そのとき以来築かれた社風のようなものがあるかもしれません。小町谷 不祥事があるとコンプライアンスがきつくなって、いろいろなチェックシートをクリアしていかないと番組が作れない、何重もの試写があって最後までチェックが厳しくなる。それをずっとしていると番組が面白くなくなっちゃうかなということは、感覚的にはあります。でも今までのBPOの案件はほとんど報道の問題というべきものでした。ドラマではいろいろな表現ができるじゃないですか。すごく挑戦できるなと期待しています。制作環境改善へ新たな取り組み佐野 『エルピス』はいろいろな賞をいただきましたが、視聴率は昔で言うと爆死と言われる数字で、当たりませんでした。そういう面で会社の営業チームなどには迷惑かけたなと思うのですが、一方で、たとえばこれまでに販売実績がなかった国に売れたり、配信でもよく見ていただいたり、ということがありました。こうした二次展開を含めてビジネスの収支を考えると、今までのような指標で単純には測れなくなっていると思います。現在各局がドラマの枠を増やそうとなっていて、スタッフも役者さんも奪い合いの状態です。ドラマはどうしてもお金がかかるので局全体の制作費がどんどん下がるなか、ドラマ枠が増えると

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