BPO_20周年記念誌
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197BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッション小町谷 BPOがあるから、表現が萎縮の方向にいっているとしたら残念でたまらないです。BPOの意見書がたくさん出てくると、すごくいっぱい悪いことが起きているんじゃないか、いろんな問題点が出ているんじゃないか、と受けとられるかもしれないですが、よく見ると意見書の論点は一つなんです。事実の調査がちょっと足りなかったという案件が一番多いので、法律家的な言い方をすると、「BPOの意見書と表現の萎縮と因果関係あるの?」とも言いたくなります。西田 現場って仕事のボリュームがすごく多くて、しかも働き方改革しろと言われていて。演出者として自分のスキルを上げるために時間を使わなければいけないときに、BPOの意見書というものをしっかり理解するための時間はなかなか取れない。時間がなければ対症療法的にならざるを得ない。そうではなくて、本当はBPOが言ったことをみんなが納得しながら歩んでいくことが大事なのに、「これ言ったぞ」、「それ聞いたぞ」で終わってしまっているんじゃないか。BPOが伝えたいことが本当に伝わっているか、誤解していなかったか、現場の制作者と擦り合わせる感じがあったらいいなと思います。小町谷 擦り合わせは大事ですね。BPOは放送局の上にあるのでもなく、一緒に走っていると思っていますので、そういう擦り合わせの場を作っていきたいです。スタッフの意識・世代間のギャップ池上 ドラマ制作ではBPOは意識しますか。関西テレビ 佐野亜裕美 たとえば、美容機器を美術スタッフがタイアップして使っていたものが

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