BPO_20周年記念誌
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189BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッションにさらされたときに、企業が「自分一人で頑張ってね」と突き放すことはありえません。カウンセリングや法的な対応の支援などが必要な時代です。メディア企業は、所属する個人がSNSを発信する場合のルール・ガイドラインを策定し、サポートしてゆく体制を構築するべきでしょう。大切なのは軸を持っておくこと(質問) 放送した番組に対してネガティブな意見が多いこともあれば、それほどの数ではないこともある。視聴者意見全体のバランスはどの辺りにあるのでしょうか。黙っている人が相当数いてネガティブな意見が目立つだけなのか、あるいは、ネガティブの意見が多いということは肯定的な人が少ないと判断すべきなのか。発信しないマジョリティーの状態をつかむためにはどうしたらいいのか、ヒントをいただけますか。山口 非常に難しい問題ですが、先ほど申し上げたように批判のコメントは元々出やすいので、批判がある一方で、結構な数の支持もあるという場合には、ある程度バランスが取れているとみることができます。批判の絶対的な量というのはあまり関係なくて、一方に支持の声があるということがバランスを評価するうえで少しだけ参考になるかなと思います。重要なのは、ガイドラインとか軸を、持っておくということです。SNSの意見に左右される番組作りではなくて、番組や会社で「これは差別に当たるから駄目」、「これは批判されているけれども報じることに意義がある」、など、軸を持っておくことが大事です。同時に、放送後に起きることをシミュレーションしておく。「こういう批判がくるかもしれないけれど、我々はこう考えているから取り下げなく

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