BPO_20周年記念誌
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183BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッション識を持ったジャーナリストの9割は女性です。現場にたくさんの女性が入ることでようやくジェンダーのバランスがとれた報道ができる、と考えるべきです。「モモレンジャー」をやっているうちはダメだと思います。報道に携わっている方に申し上げたいのですが、「女性だったらこんなふうに思うだろうか」「女性だけだったらこういうふうになるかな」ということを、もうちょっと考えていただきたい。国会議員の約9割は男性ですから、政策の意思決定も歪ゆがんでいるだろうし、国会議員の半分が女性だったら、選択的夫婦別姓はあっという間に実現していただろうと思います。同じことが報道の現場でも起きていて、やっぱり圧倒的に男性多数であるために、選択的夫婦別姓のニュースにしてもポイントがズレているのではないか、女性が半分いたら違った形で伝えられたのではないか、と思います。池上 私が印象に残っているのは、かつて東京都議会で女性の議員が少子高齢化について質問したら、男性議員が「お前こそ結婚して子どもを産め」みたいな野次を飛ばした、傍聴席にいた女性記者がおかしいんじゃないのと言い出して、記者クラブでこれは大きなニュースにすべきだってなったからニュースになった、という話を聞いたことです。記者が全部男性ならば、「ハハハ」って笑って終わっちゃったのかなって思いました。瀬地山 昼のバラエティー番組でいきなり女性に料理させて、できないところを笑いものにするというコーナーがありますが、これを男性にやらせたらもっととんでもない料理が出て面白いはずなのに、それを女性に要求することはどうなのかと。曽我部 山口さんが『テラスハウス』の件に触れました。放送人権委員会は2021年3月30日に

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