BPO_20周年記念誌
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181BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッションいるものとうまく合致して、このCMはOKになるのです。「半歩先」はいまの社会のなかにある、ということを認識することが重要で、ジェンダーの問題はその半歩先の、また少し前に進んだ部分として取り上げることが大切です。保毛尾田保毛男は80年代にはOKでしたが、今は当然アウトになります。人権感覚は日々アップデートさせること、怠れば炎上を招きます。性的マイノリティーへの意識をしっかりと持ってください。BPO放送人権委員会委員長 曽我部真裕 瀬地山さんのお話のなかで、「一歩先でもなく、現状追認でもなく、『半歩先』が大事だ」という点に共感しました。ただ、CMは非常に短く凝縮された表現によって強いメッセージを発信しますから、受け取り方によってはいろいろな解釈ができて、その中で特定の解釈をする少数の人が問題視して炎上することもあるかと思います。一方で、番組というものは時間も長いですし、もう少しゆったりとした表現やメッセージの発信がなされるため、CMとはまた違った面があるのではないか、とお話を伺いながら考えていました。もちろん番組でも、一部分だけを短く切り取って繰り返し見られる動画などにすれば、ジェンダー的に問題になるという可能性もあるでしょうが、それを回避するために全体のあらゆる部分について「半歩先」を意識するということは、制作現場ではなかなか難しいかもしれません。CMと番組では違いがあるのか、ないのか、いかがでしょうか。瀬地山 番組についてはどうなのか、というご質問でした。ジェンダーの問題について放送局各社で話す機

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