BPO_20周年記念誌
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178スで1人しかおらず、「専業主婦になってほしい」と思っている男性は1クラスに1人しかいない、これが現状です。つまり男性は、もう自分が家庭の大黒柱にはなれないということに気がついているのです。にもかかわらず、男性は女性に対して家事・育児の能力や自分の仕事への理解を求めています。矛盾していますよね。一方で、18歳から34歳の女性を対象に結婚の条件として男性に求めるものを聞いたところ、トップは家事・育児の能力でした。人柄という条件は「家柄とかではなく、〝恋愛結婚〟で」という意味ですから除外して考えてください。実質的には家事・育児能力がトップです。ここが重要です。皆さん、男の子の育て方を間違えていませんか(会場笑)。男性に対して求めている家事・育児の能力は9割で、2番目が自分の仕事への理解、3番目は経済力です。いまの人のこうした意識からちょっとでもズレてしまうと強烈な反発を招いてしまう。これは、番組制作の問題とも通底している問題だと思っています。ジェンダー・放送局の現状と課題瀬地山 では、なぜ意識のズレが出てしまうのか。女性の意見が採用されていない、反映されていないことからきていると思います。炎上案件では、どこで聞いても、「ちゃんと女性の意見を聞いていたのに」、という答えが返ってきます。この現象を「モモレンジャー状態」と呼んでいます。「モモレンジャー」と呼ぶ理由は、たとえば、5人のスタッフの中に1人だけ女性を入れて意見を聞いたと思い込んでいるからです。これでは意見を聞いたことにはならない、全然足

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