BPO_20周年記念誌
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176うというパターン、化粧品会社のCMがよくここに入ります(前頁参照)。第3象限は全体に通用すると思っていたにもかかわらず、実態は男性にしか届かないものになっていて批判を浴びたというパターンで、これは自治体のCMで時々起きています。第4象限は男性向けのもので、性役割分業の現状追認をやってしまって批判されたというパターン。背景にある家族像の変化みたいなものが、炎上の原因になったのだろうと思います。図5(次頁)をご覧ください。出生動向基本調査という国の調査で、女性に将来のライフコースの予定・予想を聞いた設問があります。1987年は「専業主婦」と答えた人が全体の4分の1いましたが、2021年のデータでは3.6%まで減っています。専業主婦になりたいという人は15%ぐらいで瀬地山 角(せちやま かく)東京大学大学院総合文化研究科教授。博士(学術・東京大学)。専門はジェンダー論。主な著書『東アジアの家父長制―ジェンダーの比較社会学』(勁草書房)、『お笑いジェンダー論』(勁草書房)、『炎上CMからよみとくジェンダー論』(光文社新書)、共著『理系男子の“恋愛”トリセツ』(晶文社)など。

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