BPO_20周年記念誌
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174発を充実させることです。出演者には一般人も含まれていますし、必ずしもSNSとの向き合い方に長けている人ばかりとは限りません。SNSの声は偏っていたり、少数意見だったりします。こうした事実を出演者全員に理解してもらい、番組が出演者とともにSNSとの向き合い方を考えていくことが、重要だと思います。最後は、放送局や事務所が出演者を守る仕組みを構築することです。出演者のカウンセリングをしっかりやる、法的な対応をする際のサポートを用意する、SNS上で攻撃が噴出した時には企業としてサポートする、など出演者を守る仕組みを強化していくことが大事だと考えています。池上 ありがとうございました。SNS時代でさまざまなことが「みえる化」したというところがありますね。NHKを卒業したのは18年前ですが、番組をやっていると視聴者からいろいろな意見が、電話であるいは熱心な方からは手紙で来るわけです。電話と手紙でしたので、出演者に対する批判は「見せない聞かせない」として守っていました。ところが、今は出演者も番組スタッフもSNSなどを直接見られるようになり制作現場のテンションが下がってしまう、あるいは出演者がもう出るのは嫌、なんてことになってしまう。でも冷静に見ると、ネガティブな投稿はごく一部の人がやっているにすぎないと再確認することが大事だということが、改めてわかりました。さて、最近はとりわけジェンダーに関してさまざまな問題が出ています。そこで今度は、ジェンダー問題専門の瀬地山角さんから解説をいただきます。

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