BPO_20周年記念誌
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173BPOの20年 そして放送のこれからBPO設立20周年記念セッションこの人たちは社会に7%ずつしか存在していないにもかかわらずSNS上には46%もいて、強く意見を言う人の発信が約半分を占めている、ということがわかります。そしてもう一つ、ネット上で誹謗中傷したり攻撃したりする人の多くは正義感から書いている、ということがわかっています。ここでいう正義感とは、その人の価値観です。何が正しいか、間違っているかは人によって違い、1億人いたら1億通りの「正しい」「間違っている」があるわけです。そういう一人一人が個人の価値観で攻撃を仕掛けている、人を裁いているということが、誹謗中傷や炎上といった現象の実態です。木村さんの件で誹謗中傷のリプライを送った人が、NHKの番組インタビューに対して「正義感ですよ」と動機を語っています。自分は正しい、これを書きこむことが使命だ、と思い込んでいるわけです。SNSとの向き合い方は山口 では、こういったSNS時代に放送業界には何が求められるのか。一つ目は、影響力を認識することと商業主義を追求しすぎないということではないかと考えます。放送局が自身の影響力の大きさを認識することは、とても大事です。インターネットが強くなってきたといっても、マスメディアの情報発信力、影響力は甚大です。だからこそ、情報発信が誰かを過剰に傷つけないか、発信が刃にならないかを考える必要があります。情報は事実と信じるに足るのか、その情報によって傷つける個人の人権をどのように考えるのか。しっかり見きわめていただきたいと思います。二つ目は、出演者に対しての、SNS関連の啓

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