BPO_20周年記念誌
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010作者たちの負担や責任は、これまでより格段に重くなるはずだからです。先ほど、BPOが番組を褒めてほしいとの声があるという話もありましたが、私は、BPOの役割は、そこまで踏み込むべきではないと思います。どのような番組が素晴らしいのかを制作者たちが自分の頭で考えるのをリスペクトすることが大切で、そうした番組作りにあたって枠を外さないようにアドバイスをするのがBPOの役割だと思います。大日向 青少年委員会の初代委員長の原寿雄さん(※2)がおっしゃっていた言葉を思い出しました。「放送現場はとにかく忙しいので、BPOから何か言われたことは知っていても中身は聞いていられないという人たちもいる。そのくらい仕事に夢中になることは決して悪いことではないが、放送現場の仕事に対するエネルギーが、結果として悪い方向に働かないように示唆することがBPOの仕事だ」というようなことをおっしゃっておられました。※2 ジャーナリスト。株式会社共同通信社元社長。BPO前身の放送番組向上協議会に青少年委員会が設置された2000年4月より2005年3月まで同委員会委員長。濱田 原さんがおっしゃったことに賛成です。まず制作者が伸び伸びしてくれないことには、表現・放送というものは成り立たないわけですから、そこから出発してここはちょっと考えてくださいという構造を、どう作っていくのかだと思います。本当は放送局の全員に期待したいと思いますが、少なくとも番組の考査や制作の責任者、さらに経営者には、BPOの考え方をしっかり理解してもらいたいと思います。

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