BPO_20周年記念誌
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157BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージをもとに放送事業者に今後の番組制作に資するよう「見解」「提言」「要望」等を発表するというかなり異なった機能を持っています。他の二委員会は、倫理違反や人権侵害が「あった、なかった」と白黒をはっきりするために、事実関係の詳細な調査や聞き取りという膨大な作業をこなすのに対し、青少年委員会は放送内容について、これからの番組制作に資するように見解を発表すると同時に、それが視聴者にも向けたメッセージになるというバランスの取れた作業が必要になります。このバランスの取れた見解という微妙なスタンスが、そのステートメントの名称(規約に記された正式名は見解のみ)に反映された「提言」「要望」「委員会の考え」などの名称で過去に発出されてきています。また委員全員の同意を原則とした見解ではなく、委員長コメントという形で発表されたこともあります。青少年委員会のより具体的な目的は、視聴者から多数の意見が寄せられた特定の番組あるいは類似内容の複数の番組が、それを視聴した、あるいはそれに出演した青少年に及ぼす影響を考察し、見解として提示することでより良い番組制作に資する情報を提供することです。同時にそうした視点を視聴者にも公表します。なお番組出演とは異なりますが、ニュース等で取材を受けた青少年も対象者として含まれます。私が委員長を拝命してから6年(2期)になりますが、その間に審議を経て発出した見解が1件、また審議までには至らなかったが、委員会での数回の討論をへて委員長コメントとして発出した件が3件あります。これらの見解あるいはコメント発出の経緯を簡潔にまとめてみます。

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