BPO_20周年記念誌
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153BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージおわりに 今後の課題個別の決定に対する批判や論評については、委員会として真摯に受け止めるしかないが、それを超えて、BPOあるいは放送人権委員会のあり方に関しても、様々な課題が考えられる。最大の課題は、放送局によるインターネットのオリジナルコンテンツに関するBPOの関与のあり方だろう。これまで、放送と同一内容のネット上のコンテンツに関しては審理の対象としてきた(2008年12月3日の「広島県知事選裏金疑惑報道」決定(決定第38号))。前述の「『リアリティ番組出演者遺族からの申立て』に関する委員会決定」(決定第76号)では、影響力のあったのはNetflixでの配信であるが、地上波放送もされていたことによって審理対象とすることが可能となった。今後、放送局が制作したコンテンツであっても、ネット配信限定のものが増えると予想されるが、これらについてBPOがどのように関わるのか(あるいは関わらないのか)、議論が求められる。また、しばしば指摘されることとして、放送人権委員会と放送倫理検証委員会との関係が分かりにくいということがある。現在は、両者は完全に独立して審理を行っており、同じ番組を審理対象とすることもいまや珍しくない。両委員会は目的を異にし、独立して審理をする以上、結論が異なっていても当然ではあるが、例えば放送倫理上の問題(あるいは放送倫理違反)については重なりがあるとも言えるなど、分かりにくいとの批判も理解できるところであり、何らかの知恵がないか、引き続き模索が求められる。放送人権委員会に関しては、その「紛争解決機能をより強く打ち出すかどうか」が論点の一つだとの指

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