BPO_20周年記念誌
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135BPOの20年 そして放送のこれから放送そしてBPO 14のメッセージ否かは「一に放送事業者の自覚と公権力の謙抑とにかかっているといっても過言ではない」と指摘した。また、2007年に発足したBPOの放送倫理検証委員会は、2015年11月6日に公表したNHKの番組についての意見の中で、総務大臣がNHKが問題とされた番組についての調査報告書を提出した同年4月28日、その日にすぐさま文書による厳重注意をしたことを批判し、政府に対して「放送の自由と自律を守りつつ放送番組の適正を図るために、番組内容に関しては国や政治家が干渉するのではなく、放送事業者の自己規律やBPOを通じた自主的な検証に委ねる本来の姿に立ち戻るよう強く求める」という姿勢を示した。BPOについては、BPOの活動と総務大臣による法的規制の調整規定を放送法に設けるべきだという見解もあるが、このような仕組みの採用は、BPOを活用した純然たる自主規制を骨抜きにし、それを法的規制に変容させてしまうおそれがあると思われる。3 委員としての経験筆者は、2005年4月から2007年6月まで青少年委員会の委員を務めた。同委員会は、1990年代末に続発した少年犯罪を契機として、青少年へのテレビの影響をめぐる議論が高まったことを背景に、2000年4月に設置された。同委員会が同年11月、「バラエティー番組に対する見解」を公表し、しりとりで間違えた出演者に対する罰ゲームの方法などを問題視したところ、これに対して大きな反響があった。バラエティー番組については、その後も行き過ぎた表現が繰り返し問題になり、筆者が委員をしてい

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